本社移転は今後も続く?移転のメリットやデメリット、必要な手続きなどを解説

コロナ禍によるリスク分散、働き方の変化などから、本社機能を首都圏から移転する動きが一層注目されています。
自社の移転について検討されている経営者の方や担当者の方に向けて、本社移転が注目されている背景やメリット・デメリット、移転の手順や必要な手続きなどについて解説します。

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本社移転が注目されている背景

昨今、国がビジネス機能の首都圏への一極集中を避けるためにこれまで働きかけてきた、本社移転を行う企業が増加しています。
コロナ禍により、リスクが顕在化したことやテレワークの増加や社内のICT化などの環境が整って働き方が変化したことが、密接に関わっているといえます。

首都圏から地方への本社移転が加速しているといった報道もあり、一層注目が集まっています。今後も本社移転の流れが定着するかどうかも注視されています。

オフィスビルの間をモノレールが走っている

本社移転に関する近年のデータ

2022年9月に発表された帝国データバンク「特別企画:首都圏・本社移転動向調査(2022 年 1-6 月速報)」によると、首都圏企業の転出は2年連続で転入数を超過し、今後も続くのではないかと予想されています。本社の複数拠点化が進んでいるといったデータも出ています。

また、経営コストの圧縮を目的に首都圏外へ退避するといったケースが増加する可能性があるとも予測されています。
過去に首都圏から地方への拠点分散化が進んだ時期は、バブル崩壊後の1990年代や2008年のリーマン・ショック後など経済環境が悪化した時期に重なっていました。

※参考:首都圏・本社移転動向調査(2022年1-6月速報)| 株式会社 帝国データバンク[TDB]

「本社」と「本店」という言い回しの違い

本社と本店の定義は異なるため「本社=本店」になるとは限りません。以下は、本社と本店の定義です。

本社と本店の定義

  定義 登記簿登録
本社 会社の中枢機能を担う事業所 不要
本店

登記上の会社の所在地(必ず1か所)

※支店や支社を持っていなくても本店と呼ばれる

必須

上記のように、本社と本店の定義は異なるため、会社の住所を聞かれた際には、登記簿に登録した本店の住所を答えましょう。
会社を設立する際の登記申請では、会社の所在地を記載する項目名が「本店所在地」となっているためです。設立登記や税務関係の届出などは全て、本店所在地を管轄する登記所や税務署で行います。
また、本店を移転する際にはいくつかの場所へ書類提出が必要で、法務局へ「株式会社本店移転登記申請書」を提出する必要もあります。

本社や本店を地方に移転するメリット

本社や本店を地方に移転する際には、多くのメリットが得られます。ここでは、メリットについて解説します。

緊急時のBCP(事業継続計画)に役立つ

地方に本社機能を分散しておくことで、緊急時のBCP(事業継続計画)に役立ちます。BCPとは、「Business Continuity Plan」の略で、災害時やコロナ禍などのリスクが顕在化した際に、事業継続、早期復旧できるようにする計画のことです。

BCPについては、以下の記事で詳しく解説しています。

BCP対策とは?事業継続計画の目的や策定・運用方法のポイントを解説 | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

木目のデスクの上にBCPの文字がある

さまざまな費用の削減

本社や本店を地方に移転することで、賃料や人件費などの削減が期待できます。地方に移転することで、電車通勤の距離を削減したり、マイカー通勤を促進したりでき、通勤にかかる交通費も削減できます。

従業員のストレス緩和、ワークライフバランス向上、職場環境の改善

本社や本店を地方に移転すると、人口密集地での生活や満員電車での長時間通勤などに対して、従業員が感じているストレスが緩和され、ワークライフバランスの向上に期待できます。業種によっては主要道路や空港などを利用して物流がスムーズに行えるようになるため、職場環境の改善につながる場合もあります。

政府の税制優遇や各自治体からの補助金

企業の本社機能の地方分散を政府が推進している背景から、税制優遇や補助金を受けられることが期待できます。税制優遇では、大きく2つの優遇措置が敷かれている「地方拠点強化税制※」という制度があります。地方の各自治体が実施している補助金制度も利用できます。
※2023年3月時点での情報

地域振興・社会貢献

本社や本店を地方に移転すると、移転先の雇用やビジネス促進などの効果から、地域の経済振興に役立つことが期待できます。

本社や本店を地方に移転するデメリット

本社や本店を地方に移転する際には、メリットだけではなく、デメリットも生じます。ここでは、デメリットについて解説します。

人材確保の問題

移転先によっては、人材確保が困難になる場合があります。そのため、大学や専門学校のある地域にオフィスを構えたり、従業員の移住に関する負担を考慮したりするなどの対策を考える必要があります。

取引先との距離の問題

本社・本店は地方、取引先は首都圏となった場合、営業活動に支障が出る可能性があります。そのため、営業機能は首都圏に残す、リモート営業、オンライン会議を活用するといった対策を検討する必要が生じます。リモートやオンライン活用の場合、ITインフラ整備の問題も生じるため、対策をとりましょう。

本社機能を分ける必要性が生じる問題

上記2つのデメリットを考慮し、移転先とは異なる場所で主にビジネス展開する場合には、本社機能を2つ以上に分ける必要があります。本社・本店とは別に、従来1つだった本社機能を持つ、サテライトオフィスを設置する方法をとりましょう。移転する際にコストや各種手続きの手間はかかりますが、BCP対策になる点はメリットといえます。

サテライトオフィスの種類や特徴、設置事例は以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

【事例】サテライトオフィスとは?種類や特徴、設置事例を解説 | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

本社移転の注意点

本社を移転する際には、注意すべき点があります。ここでは、本社移転の注意点について解説します。

計画的に準備を進めることが重要

本社移転を行う際には、計画的に準備を進めることが大切です。従業員への説明や新規オフィス準備、法的手続きなどさまざまな対応が必要となるため、ミスや漏れを防ぐために必ず移転スケジュールを立てて行いましょう。移転の1年から6か月前には準備を始めることをおすすめします。

オフィス移転のスケジュールについては、以下のコラムで詳しく解説しています。

【チェックリスト付き】オフィス移転の流れとや成功のポイントを解説! | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

本店移転の手続きをしなかった場合は罰則があるため注意

本店を移転する際には、2週間以内に変更登記が必要となります。会社法第976条1号によると、本店移転の手続きを怠った場合、100万円以下の過料の可能性があると示されています。社会的信用が失われることにもなるため、注意しましょう。本店移転手続きはオンラインでもできるので活用することをおすすめします。※
※2023年3月時点での情報です(罰則や手続きに関する最新情報は担当省庁のHP等をご確認ください)

本社移転の主な手順・スケジュール

本社を移転する際のおおまかな手順やスケジュールは以下の通りです。

移転1年~6か月程度前まで

・計画立案、新オフィス探し、現オフィスの解約通告(6か月前まで)

・移転先でのOA設置や内装、引っ越し業者探し

移転2か月程度前まで ・移転先オフィスのデザイン検討、内外装施工、設備、家具準備、納入などの手配
移転2か月~1か月程度前まで

・関係先への移転に関する挨拶、情報発信

・金融機関や税理士、リース会社、備品などの納入企業等の委託先に移転後も継続対応可能かどうか確認

移転日

・新オフィスでの稼働に向けた各種機器の設定や荷受け、荷ほどき

※荷物の配送の関係で移転当日は業務ができない可能性なども考慮して移転日を決める

※新オフィスと旧オフィスで連絡が取れるようにしておく

移転後 ・旧オフィスの原状回復工事、移転に関する各種届出

オフィス移転の詳しいスケジュールやチェックリストは、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

オフィス移転でやるべきことが分かる!チェックリスト|時系列に詳しく解説 | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

オフィス移転のスケジュールや手順はこちらのマニュアルでも詳しくご紹介しています。ダウンロードしてぜひご活用ください。

はじめてのオフィス移転お役立ちマニュアル<全15ページ>&エクセル版チェックシート | 資料ダウンロード | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

本社移転に必要な準備や手続き

本社を移転する際には、転居準備と、金融機関や各省庁への手続きをしなければなりません。移転前、移転後にすることを事前に確認の上、準備や手続きを進めましょう。

必要な準備

以下では、本社を移転する際に必要な準備について、移転前と移転後に分けて記載しています。

移転前

・移転計画の立案

・移転先でのOA設置や内装、引っ越し業者への依頼

・レイアウト設計

・必要な設備や家具の手配

・原状回復工事の依頼

・移転先オフィスの内装工事、ライフライン工事の確認

移転後

・新オフィスと旧オフィス間で連絡が取れるように、双方に従業員を配置

・役所等への提出書類の準備

必要な手続き

以下では、本社を移転する際に必要な手続きについて、移転前と移転後に分けて記載しています。

移転前

・現オフィスの賃貸契約解除の手続き

・移転先のオフィスの賃貸契約手続き

・引っ越し業者など新オフィス構築委託先との契約手続き

移転後

・法務局への手続き

・税務署への手続き

・都道府県税事務所への手続き

・市区町村への手続き

・消防局への手続き

・警察署への手続き

・年金事務所への手続き

・労働基準監督署への手続き

・公共職業安定所への手続き

・郵便局への手続き

「行政手続き一覧表」をご用意しています。こちらからダウンロードのうえ、ご活用ください。
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自社の本社移転を実現するには

本社移転を成功させるためには、スマートワークの環境を構築することが重要です。スマートワークとは、ICTを活用して、場所にとらわれず柔軟な働き方をすることです。スマートワークを実現することで、自由度の高い働き方が可能です。

また、本社移転の選択肢として、オフィス分散化も注目されています。オフィスを分散化することで、テレワークとの相性がよくなり、リスクを分散化できるといったメリットも得られます。

オフィス分散については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

オフィス分散とは|目的・メリット・注意点・導入時のポイントまで解説 | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

オフィスを分散して設置しているイラスト

まとめ

コロナ禍による働き方の変化やリスクの顕在化などから、本社移転が注目されています。本社や本店を地方に移転することで、緊急時のBCPに役立ちます。従業員のストレス緩和や、ワークライフバランス向上、職場環境の改善などにもつなげられます。

コクヨマーケティングでは、年間25,000件以上の豊富な実績から、お客様の働き方に合わせた空間を提案しています。オフィス移転はもちろんのこと、移転後のオフィス維持・運用に至るまで、ワンストップでサポートしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
また、コクヨの従業員が実際に働くオフィスを体感いただける「オフィス見学会」を実施しています。
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よくあるご質問

オフィスの移転に関して

コストを抑えて移転を行いたいです。どんな方法がありますか?

コストを抑えた移転は、移転先ビルの選定から始まります。

お客様の働き方から、出勤率やオフィス機能を見極め、契約面積を最適化する事が重要になります。

ぜひ、移転先のビル検討からご相談ください。

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見積もりを依頼する際に用意しておくことはありますか?

移転費用は、オフィスの面積や諸条件によって大きく異なります。

基本的には弊社の担当者が現場へお伺いし、現地調査を行った上で、お見積りを作成いたします。

現状の平面レイアウト図や移転先の図面をご用意いただければ、より早くお見積りが可能です。

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見積もり段階での費用は発生しますか?

基本的にお見積りは無料で対応しております。費用が発生する場合は、事前にご連絡いたします。お気軽にご相談ください。

大体どのくらい前から準備をすれば良いですか?

平均8ヵ月~1年程度の準備期間が必要です。規模にもよりますが、短期の移転でもコクヨマーケティングなら、計画立案から移転先オフィス運用までのスケジュール提案・管理が可能です。

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オフィス移転の経験がないため、何から手を付ければ良いか分かりません

お客様の環境・状況によって、何から始めれば良いのかは全く異なります。
コクヨマーケティングでは、ヒアリングや現状調査を行う事で、お客様それぞれのゴールイメージを明確化し、いつまでに何を行う必要があるのかを適切にご提案いたします。

移転準備の業務まで手が回るか心配です

年間25,000件以上の実績を持つコクヨマーケティングは、お客様の移転プロジェクトを円滑に進めるために、移転先ビルの選定からオフィスの運用まで、ワンストップでサポートいたします。経験豊富な弊社のスタッフにおまかせください。

オフィスのリニューアルに関して

社内のレイアウトを変更したいのですが、現状図がありません

正確なレイアウト設計を行うため、直接現場へお伺いして実測し、現状図を作成いたします。OA機器、サーバー、電話交換機の配線状況や、家具配置の安全性なども考慮した上で、現状図作成から変更図の作成も可能です。

業務を続けながら施工してもらうことは可能ですか?

ご依頼の内容によって異なります。家具の移動や配線工事であれば、業務を続けながら施工を行う事が可能です。
造作やパーティションの解体など、工具の音が大きく、作業スペースが必要な場合は、ビル管理と調整しながら、土日や夜間を利用して安全に施工を行います。お客様ごとに詳細なお打ち合わせをし、最適なスケジュールをご提案いたします。

どのくらいの費用がかかりますか?

リニューアル費用は、オフィスの現状や、お客様の解決すべき課題、目指す働き方によって、大きく異なります。
コクヨマーケティングでは、オフィスづくりのプロフェッショナルがヒアリングや現状調査を行い、家具やICT、内装工事からオフィスの運用方法まで、幅広いご提案をいたします。お見積りは無料で対応しております。お気軽にご相談ください。

フリーアドレスやWEB会議の導入など、新しい働き方の提案も行っていただけますか?

はい。社会の変化やお客様の課題に対して、柔軟に対応できる働き方を様々な角度からご提案いたします。時代の動きに合わせて、これからの新しい働き方を一緒に考えていただけるのが「コクヨライブオフィス」です。コクヨ社員が多様な働き方を実践するオフィスをご案内させていただきます。

詳しくはオフィス見学のページをご確認ください。

各部署の意見を取り入れたリニューアルを行いたいです。何か方法はありますか?

コクヨの働く環境診断 はたナビ プロ」によって、社員の意識やオフィス環境の課題の見える化と、優先順位付けが可能です。

各社員に専用WEBページの案内をメールで発信し、任意の期間内で64問の質問に回答して頂く仕組みです。

コクヨマーケティングでは、診断結果をもとにレポートを作成、お客様に合ったプランをご提案いたします。診断は無料です。お気軽にお問合せください。