丸和バイオケミカル株式会社様は、農耕地、ゴルフ場、緑地管理用農薬及び資材の開発販売を通し、農産物の安定生産・地球環境の保全に貢献しています。現場にこだわる姿勢を強みに、1972年の設立以来、日本全国のお客さまと共に課題解決に取り組んでこられました。
今回、ビルの老朽化を機に、3フロアに分かれていた部門を1フロアのオフィスへ集約移転されました。プロジェクトの代表として移転に携わられた大澤様、川口様に、背景や働き方の変化についてお伺いしました。
丸和バイオケミカル株式会社
常務取締役 大澤信吾 様、管理本部 総務部総務課担当課長 川口泰 様
| 所在地 | 東京都千代田区神田須田町2丁目19番地23 Daiwa秋葉原ビル |
|---|---|
| URL | https://www.mbc-g.co.jp/ |
| 業種 | 卸売・小売業 |
| 人数 | 71名 |
| 面積 | 約242坪 |
| 提供内容 | ワークスペース |
お客様の課題
- ビルの老朽化と働く環境の見直し
- 勤務形態とオフィス活用の変化
- 部門ごとのタコツボ化とコミュニケーション不足
コクヨのご提案
- グループアドレスとスムーズな運用をサポートするホテリングシステムの導入
- 部門間の交流を促すオープンなコミュニケーション空間の創出
- 具体的なパッケージ提案と社員に寄り添うプロジェクト支援
まず、今回のオフィス移転のきっかけについて教えていただけますか
入居から30年が経過したビルの老朽化と、賃料値上げを機に、働く環境そのものを見直す必要性を感じました。
当社ではこれまで、在宅勤務や時差出勤などの働き方改革に取り組んできましたが、社員が安心して働けるワークプレイスをつくり、チームパフォーマンスを高められるオフィス環境が求められていました。今回の移転は、その環境を整えることでワークエンゲージメントを向上させ、100年企業として持続的に成長していくための一歩だと考えています。
また、年々各地で大規模地震が発生していることも背景にあります。移転を検討し始めた頃、ちょうど現在のオフィスビルが建設中でした。このビルは耐震構造が強固で、電源系統が二重化されているため、災害発生時でも事業の早期復旧が可能と判断しました。BCP(事業継続計画)の側面と、さらに以前のオフィスの近くであるため社員の通勤経路に変更が生じないという利点も考慮して、最終的な移転先を決定しました。
移転前の貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください
オフィスの老朽化
社員から騒音が気になるという声が上がり、応接会議室の壁にヒビが入ったり、オフィス什器も劣化しているため、働く環境とお客様を迎える空間の両方で改善が求められていました。
勤務形態の変化
コロナ禍以降、週2回の在宅勤務を取得する人が増え、営業の外出も多いことから出社率は45%ほどになりました。3フロアを借りていたのですが無駄になってしまっているスペースも多く、オフィスを有効に活用できていない状態でした。
部門ごとのタコツボ化
フロアを跨ぐオフィス構成や完全固定席により、部門間には物理的な分断が存在していました。加えて出社率の減少でコミュニケーションも減り、オフィス環境と運用の両面で部門ごとのタコツボ化に拍車をかけている状況でした。
新しいオフィスへ移転されるにあたりこだわった点はありますか?
各部署からメンバーを決定し、若手社員を中心に7名のプロジェクトチームを発足しました。最初はプロジェクトメンバーの中でも意見がバラバラだったのですが、コクヨさんとPM会社のご担当者に手厚くサポートをいただきました。いつまでに何を決める必要があるか明確にしていただき、プロジェクトチームに投げかけてもらった議題をメンバーが各部署に持ち帰り、拾い上げた意見をプロジェクトチームで検討するという形で進めました。タイトな期間ながら大きなトラブルなく移転を完了できたのは、コクヨさんのリーダーシップがとても重要だったと感じています。

レイアウト面では、1フロアに全部門を集約し、完全固定席から部門ごとに定めたエリアの中でその日の座席を選択するグループアドレスに変更しました。パーテーションをなくし、オフィスの中心には社員が集えるチームワークエリアを設けています。
また、会議室に加えてオープンミーティングの場所を多く設けました。執務エリア内にあるためアクセスも良く、モニターも設置しているので、ちょっとした打合せが気軽に行えるようになっています。

オフィス構築時に苦労した点や、それをどのように乗り越えられたかについて教えてください
具体的なイメージが持てていなかった
移転を決めたものの、30年間同じオフィスで働いていたため具体的なイメージはありませんでした。 コクヨさんのライブオフィスも見学させていただいたのですが、ものすごいカルチャーショックを受けたことを覚えています。
社員も今までのオフィスや働き方に慣れていた分、移転自体には賛成でも、変化への不安や戸惑いは大きいようでした。経営計画発表会で移転の趣旨などの説明はあったのですが、細かいイメージまで掴めていないところはあったと思います。11月頃に引っ越し説明会を予定していたのですが、それまでにもう少し具体的な話をしたほうがいいのではというご提案をコクヨさんからいただいたこともあり、社員に向けた説明会を実施しました。
オフィスの変化よりも、社員は運用ルールのほうに関心があります。 たとえばグループアドレス運用のためホテリングシステム(座席予約システム)を導入することについて「わざわざ入れないといけないの?」と疑問が上がる場面などもありましたが「コクヨさんも実際に導入している」ということが納得につながりました。
一律7割の書類削減
グループアドレス化に伴い、社内の荷物を大幅に減らす必要がありました。固定席が個人の城と化しており、一人ひとりの荷物や要望が積みあがった結果、必要な面積も収納庫もどんどん増えていく一方になっていました。なかでもボリュームを占める紙書類については、ひとつの目安として全部署一律で7割削減という目標を掲げました。
電子化も同時に進める話も出ましたが、移転までが短期間であることやシステムの過渡期だったこともあり、まずは外部倉庫も活用しつつ書類の棚卸しを実施しました。
やはり当初は、社員の抵抗感は大きかったです。削減計画を緻密に立てる部署もあればざっくり進める部署もあって、不公平感が出たり書類が混ざったりしないようにキャビネットを分割し、引き出しの鍵も1段ずつ分けました。その上で、社員に対しては、100点満点でなくても60点、65点でいいからやってみようという話をして進めていきました。
苦労はしましたが、実は現状、キャビネットも倉庫も空きのある状態になっています。やってみればできる、というところもありますが、本当に保管しなければならない書類なのかというところから考えた場合、漫然と積み重なっていた荷物を整理するきっかけが欲しかった部署もあったのだと思います。
オフィス構築後、社員の皆様の働き方はどのように変わりましたか?また、感じておられる効果や予想外の反応などがありましたら教えてください
グループアドレスによる部門間の交流
以前はフロアごと、島ごとに分断されていたオフィスが1フロアのグループアドレスになったことで、違う部署の人と関わる機会が増え、相互理解が進んだ点は大きいです。偶然のやり取りで他部署の仕事内容を知る機会が増え、業務の参考になったという意見もあります。 コミュニケーションもかなり活性化し、ちょっとした業務連鎖も生まれています。
移転前は、自席や会議室に籠って業務を行うことが社内全体のタコツボ化に繋がっていました。今回閉鎖空間を減らしオープンミーティングスペースを増やしたことで、社員もオープンな場の活用にどんどん慣れてきているのを感じます。

オフィス内でのあいさつが増えた
オフィスの中心のチームワークエリアではお弁当を取る人が増えてきて、部署や性別関係なく和気あいあいと会話をしている光景を目にします。業務で必要な会話と業務から離れた会話の両方が発生することで、同じ社員同士“分かり合える”シーンが多くなっているように感じます。
また、オフィスにおいての動線の重要度を改めて感じています。以前は島型デスクに合わせたタテヨコの動線でしたが、移転後はオフィス全体を周回する動線になりました。 何人かの社員は「あいさつの機会が増えた」と話していました。コミュニケーションも業務連携も始まりはあいさつからだと思うので、どんどん広がっていくと嬉しいですね。

自分たちで作りあげていくオフィスへ
現在、移転時のプロジェクトメンバーが各部署からアンケートを取りまとめています。満足しているという反応やもっとこうしてほしいという要望など様々ですが、全体最適として有用な意見もあり、仕分けをしてオフィス運用に反映させていく予定です。
移転を機に気づいてもいなかった課題が見えてきて、ある意味では「課題の箱を開けた」部分もあります。しかし、まず課題を認識できているか否かは一人ひとりの働き方にも影響していて、社員の中でもっと改善しようという意識が生まれていることを実感しています。移転して終わりではなく、自分たちの働くオフィスを自分たちで作りあげていく一歩だと考えています。
今回、東京本社の移転を機に新しい働き方をスタートすることができました。ゆくゆくは他拠点の営業所も含め、会社全体でより良い環境、働き方を実現していければと思います。

コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください
一番は提案パッケージの分かりやすさです。
コクヨさんは提案の中身がわかりやすく、グループアドレスひとつを取っても「座席率〇%のレイアウトパターン」などいくつものパッケージができていて、想像がしやすかったことが決め手となりました。他社にもお声掛けしたのですが、コクヨさんは「丸和さんの出社率ならこれくらいの座席率が良いと思います」など、常に弊社側の立場に立った提案をしていただけたこともありがたかったです。
また、4月に移転を決めて6月にプロジェクトがスタートしたのですが、現在のビルへの入居期日があり、翌2月までの短期間で一気に進めていかなければならない状況でした。コクヨさんの担当営業の方が「大丈夫です、いけます」と力強く言ってくださったことは、非常に心強かったです。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します