管理職となり、今まで以上に時間に追われる日々。自分自身の業務に加えて、チームマネジメントに、上司や他部署との調整… 正直、いくら時間があっても足りません。そんな中、部下の一人から「実は前から相談したいことがあったのですが、忙しそうで声をかけづらくて…」と言われてハッとしました。仕事に追われ、部下とのコミュニケーションの機会が少なくなっていただけでなく、気をつかわせていたことを反省しました。
その反省を踏まえ、私が取り組んでいる「忙しい中でも部下が相談しやすい環境づくり」についてお話します。
「話しかけやすい時間」を明確に
今までは、主に会議や外出の予定をスケジュールに入力してチームメンバーと共有していました。そうすることで部下も予定の入っていない時間を確認できるし、相談にも来やすいだろうと思っていたのですが… 実際は空白の時間こそ雑務に追われてしまい、結果として話しかけづらい雰囲気を出してしまっていました。
現在は『集中ワーク』の時間をスケジュールに入れ、個室ブースで集中して雑務をこなす時間を確保。その代わり、通常のデスクにいる時は「いつでも声をかけてOK」と部下に伝えています。メリハリをつけることで、予約した時間でしっかり雑務を終わらせようという気持ちにもなるんです。相談しやすい環境づくりのためのスケジュールの見直しが、自分の業務の効率化にもつながりました。
相談の仕組みをつくる
「いつでも相談して」と言っても、実際はどうしてもタイミングが合わないときもありますよね。
私のチームでは、2週間に一度、部下一人ひとりと1on1の時間を設けています。業務報告だけでなく、困っていることや気になることを、気軽に話してもらう場です。ポイントは「相談専用の時間」だと明確にすること。「今は何か困っていることある?」から始めて、業務の悩みから人間関係まで、なんでも話せる雰囲気をつくっています。
忙しい時こそ余裕を演じる
仕事に追われているとつい目の前の業務に没頭しがち。今こころがけているのは「忙しい時こそ余裕を演じる」です。
たとえば、「今大丈夫ですか?」と声をかけてきた部下に「おお、ちょうど今一区切りついたところだから」と余裕の表情で振り返りながら、卓上の付箋だらけのスケジュール帳をさりげなく隠す左手…(笑)
ひとつずつは小さいことですが、続けているうちに部下の方からも「ちょっと聞きたいことが」と声をかけてくれる機会が格段に増えました。少し大げさに「余裕のある管理職」を演じるくらいが、部下にとっては安心して相談できる空気なのかもしれません(笑)。
正直、まだまだ試行錯誤の日々です。忙しさにかまけて、つい忙しいオーラを出してしまうこともあります。ですが「部下のために時間を作ろう」という気持ちを持ち続け、できることから少しずつ実践していく。それがチームの雰囲気を良くすることに繋がるはずですし、何より、自分自身の管理職としての意識を支えてくれています。