「部下のためを思って」「成長してもらいたくて」そんな気持ちで行動しているのに、なぜか部下の表情が曇っていく...。
そんな経験はありませんか?
私もプレイヤー時代、上司の「期待してるよ」の言葉に、時に燃え、時に「正直しんどい...」と感じたものですが、管理職になった今「あの時、上司はこんなに私のことを考えてくれていたんだな」と気づくことがたくさんあります。
今日は、そんな『善意のすれ違い』について、私が気を付けていることをご紹介しますね。
「成長のため」という名のプレッシャー
「君の成長のために、この仕事を任せるよ。」期待の言葉は嬉しいけれど、タイミングって大事ですよね。クタクタの時の熱血トークは正直しんどい。部下は心の中で「もう十分頑張ってるよ...。」とつぶやいているかもしれません。
私は以前、異動直後で余裕ゼロの時期がありました。新しい仕事を覚えて成果を出さなきゃというプレッシャーを感じながら、ただ目の前の仕事をこなすのが精いっぱいで...。
その時、上司が「興味があれば。」くらいの温度感で、業務に役立ちそうな情報共有やセミナーを勧めてくれたんです。押し付けじゃない距離感が、本当に救いでした。そのおかげで、業務に負荷のない自分のペースで無理なく知識を吸収することができ、自然と「もっと新しいことに挑戦してみたい!」という前向きな気持ちが湧いてきたんです。
そんな経験もあって、今は相手の状況を見ながら、無理のない成長サポートを心がけています。

「任せる」という名の放置プレイ
上司から「任せるよ!」と言われて、その後のフォローが少なかった経験があります。
最初は「信頼されている?」と思ったのですが、初めての仕事だと「これで合ってるのかな?」と不安になりますよね。あの心細さ、今も覚えています。
自分が上司の立場になってからは、業務を任せる時は定期的な1on1で「困ったことない?」と声かけを欠かしません。「任せる」と「見守る」はセット。部下にとって「任された感」と「見守られている安心感」の両方があると、安心して走れますよね。
「チームのために」という名の偏った負担
「みんなで協力して頑張ろう!」聞こえはいいですが、実際は一人に負荷が集中していることありませんか?
「チームだから助け合おう。」という言葉が、いつの間にか「大変なのは自分だけじゃないから、不満を言わずに我慢しよう」という無言のプレッシャーに変わってしまうのは避けたいところです。
今では、チームで仕事を進める際は、まず「誰が・何を・いつまでに」を明確にした上で、特定のメンバーに業務が集中していないか」「手が空いているメンバーはいないか」を確認するようにしています。
「みんなのために」という言葉が、誰かを無理させる理由にならないよう、メンバー全員が心地よく力を発揮できる、フラットな環境づくりを心掛けています。
善意のすれ違いを防ぐ、小さな気配り
「挑戦」「成長」といった前向きな言葉も、タイミングを間違えれば重荷になります。成長の機会は、本人が「意味がある」と感じて初めて学びにつながるもの。一方的な「君のため」は、脅威になってしまいます。
私も試行錯誤中ですが、自分の「善意」が相手にとって本当に善意か、常に振り返るようにしています。部下の表情、ちょっとした言葉。そこにヒントがあると思っています。
とはいえ、自分の業務もある中で部下全員を完璧に把握するなんて、スーパーマンじゃないと無理です(笑)
だから私は小さなコミュニケーションを大切にしています。定期的な1on1、雑談や声掛け等の小さな気配りが部下に安心を与え、挑戦や成長に繋がっていくのではないかと思っています。
一人ひとりの成長を後押しして、安心してみんなが走れるチームを目指して頑張ります。
