コラム

中小企業のテレワーク導入の進め方

テレワークとは、「情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間を有効に活用できる柔軟な働き方」です。今回、注目をされている在宅勤務だけではなく、オフィスから離れた場所で働くことがテレワークになりますので、モバイル勤務や、サテライトオフィス勤務、コワーキングスペース利用も含まれます。離れた場所で働くことを意味するリモートワークもテレワークと同じことです。本コラムでは、テレワーク導入の進め方についてご紹介いたします。



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1.テレワーク導入の進め方


テレワークを進めるには、図1 にある 4 要素を検討します。 緊急時は 労務管理やセキュリティなど、最低限必要なことをおさえて実施しましょう 。



図1:テレワーク導入に必要な要素


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出典:日本テレワーク協会講演資料



常、テレワークを導入するためには検討タスクフォースを作ります。メンバーは人事部門、情報システム部門、実際に活用されたい方等で構成します。まずは、導入目的を明確にし、達成したい目標(ex時間外労働削減、従業員満足度向上等)を設定します。テレワークは経営目標を達成するための働き方の手段であり、テレワークの導入や活用は目的にはなりません。その後は、4要素の検討、数か月から半年間試行導入します。効果を測定し、現場で発生した様々な課題を解決する対策を講じた上で、本格導入します。


今回のパンデミックにより多数の就業者が一斉に長期間テレワークに取り組んだことによって①働き手のオンオフの切り替え・長時間労働につながる懸念、②コミュニケーションがとりづらく仕事の管理がしにくい・孤独感、③紙文化・押印問題等が共通課題として顕在化しました。解決のためには、今後適切なICTツールを活用することを前提に、取引先とのルールの取り決めや、会社として社員に推奨するテレワーク環境下でのタスク管理・コミュニケーション手法などを構築していく必要があります。


続いては、テレワークを導入する際の「労務管理」「ICT(情報通信)システム」「業務」についてポイントを述べます。



2.労務管理


まず、就業規則等のルールを整備します。


・労働時間の把握
テレワークにおいて最初に検討すべき点は、労働時間の管理方法です。労働時間制には「通常の労働時間制」「フレックスタイム制」等がありますが、テレワークの勤務でもオフィスでの勤務と同じようにそれぞれの労働時間制が適用されるのが基本的考え方です。テレワークにつきものの中抜け時間等や長時間労働対策については下記のガイドラインで確認できます。テレワークであっても、毎日の始業終業、休憩時間の管理は必要で、電話やメール、勤怠管理システムなどで行います。


・就業場所の明示
会社の許可する場所を就労の場所とすることを明確にした上で、明文化した形で対象者に通知します。


・費用負担の明示
労働者負担になる場合、就業規則の変更が必須となります。費用負担とは、機器購入費・通信費・光熱費等です。緊急時の場合は、対象者に個別「合意」のもとに労働者負担で在宅勤務させることを、明文化と通知した上で可能となります。


※詳細は、「テレワークモデル就業規則~作成の手引き~」(厚生労働省:平成28年度)、「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(厚生労働省:平成30年度)を参照ください。

3.執務環境



在宅勤務する時は、照明や机・椅子等の執務環境を確認する必要があります。特に、緊急時で在宅勤務が長期化しそうであれば、腰を痛める可能性等もありますので、執務環境を整備することが求められます。また、在宅勤務だと、誘惑が多い、家族やペット等がいて集中できない、オフィス機器がない等の問題がある場合、コワーキングスペース等の利用により解決されます。


※詳細は、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(厚生労働省:令和元年度)をご参照ください。



4.ICT(情報通信)システム


3区分の検討をします。データやソフトウェアへのアクセスをどうするかの「システム方式」(リモートデスクトップ方式、仮想デスクトップ方式、クラウドアプリ方式等)、電子メール・チャット・ビデオ会議システム・情報共有ツール等の「コミュニケーションツール」、勤怠管理ツール・在籍管理ツール・ぺーパレス化ツール等の「管理ツール」です。コミュニケーションがとりづらく仕事の管理がしにくい・孤独感の問題も、web会議やグループチャットなどのコミュニケーションツールを使うことで緩和することができます。コミュニケーションツールは、制限はあるものの無償版もありますので、まずは使ってみることです。朝礼・夕礼、雑談時間、1on1ミーティング等、コミュニケーションを意識的に作り出すことが重要です。セキュリティに関しては、テレワーク環境でもオフィスでのセキュリティポリシー適用し、それを守ることが基本ですが、持ち出しに伴う紛失・盗難等のリスク、ネットワーク接続に伴うリスクが増えます。個人情報や経理情報などを扱う業務をテレワークする場合は不正対策も必要になります。明文化したルールを作り、適切な環境構築、社員教育を行うことが必要です。


※詳細は、「テレワークセキュリティガイドライン」(総務省:平成30年度)や、「テレワーク勤務のサイバーセキュリティ対策!」(警視庁:令和2年度)をご参照ください


5.業務

現在の業務を「現状で実施できる業務」、「いまは実施できない業務」、「実施できない業務」の3つに分けます。「いまは実施できない業務」は、仕事の見える化、業務プロセスの見直しと標準化、属人化の排除、ICTシステムの導入によりできるだけ「実施できる業務」にしていきます。セキュリティの問題や工場やお客様対応等で、どうしても「実施できない業務」については、マルチスキル化により交替でテレワークするという事例もあります。今後は、対面中心だった会議や営業活動等のオンライン化や、紙での業務や押印については、電子署名や、申請のクラウド化、社外との電子契約システムの導入が進むでしょう。

6.さいごに


先進諸国で国際比較した時に日本の労働生産性が低い状態が続いています。今回新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックによって、図らずも、多数の企業が働き方を見直し、ICTを活用する働き方に取り組みました。このことが刺激になり、非効率な働き方が見直される動きが今後も続くと考えられます。図2はテレワークを成功させるための4つのポイントとなります。緊急時に最低限のテレワークを導入した状態から、企業力を上げるための平時のテレワークにぜひ取り組んでください。



図2:テレワーク導入成功の要因


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出典:日本テレワーク協会講演資料



監修:一般社団法人日本テレワーク協会 



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