勤務時間や場所を選べるフレキシブルワークとは?メリット・デメリットや具体例を解説

少子高齢化や人材不足に伴う働き方改革や働き方の多様性も進み、より柔軟な働き方が求められる時代になりました。こうした背景のもと、個人の事情やライフスタイルにあわせて柔軟な働き方を実現するフレキシブルワークが、注目を集めています。この記事では、フレキシブルワークのメリット・デメリットや取り組みの具体例、導入準備などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

そもそも「フレキシブルワーク」とは

フレキシブルワークとは、「時間や場所を柔軟に選べる働き方」のことです。育児や介護、長期休暇といった、個人の事情やライフスタイルにあわせて働くことができます。フレキシブルワークはイギリスを中心に2000年ごろから広がりはじめ、日本でも大企業を中心に導入が増えつつあります。

フレキシブルワークが広がっている理由

これまでの日本では、出社・フルタイム勤務を前提とした、画一的な働き方が一般的でした。しかし近年、女性の社会進出や少子高齢化による労働人口の減少、ICTの普及、働き方改革など社会環境が変化しました。人材確保の観点においても、より自由度の高い働き方が求められるようになっています。また、新型コロナウイルスの流行に伴って、テレワークが増加したことも一因となり、フレキシブルワークに対する関心が高まっています。

フレキシブルワークのメリット

フレキシブルワークを取り入れることで、企業にとってどのようなメリットがあるのか以下で詳しく解説します。

従業員の離職防止

勤務時間を調整したり、場所を選んで働いたりと、個人の事情にあわせて柔軟に働き方を選べるようにすることで、生活の負担を軽減しながら勤務を続けられます。働き方の自由度が高まることで満足度が上がり、社員の離職防止に繋がるでしょう。

深刻化する人材不足の解決

ラッシュ時の通勤回避、長時間労働の防止、プライベートの時間確保など、フレキシブルワークは社員にとってもさまざまなメリットがあります。採用活動時に求職者に対するアピールポイントとなるでしょう。また、フルタイム勤務が難しい人でも働くことのできる制度に整えることで、採用対象が広がり、人材不足の解消に繋がると言われています。

従業員の生産性向上

近年では、勤務場所を問わずチームで仕事を進めるためのコミュニケーションツールや、在宅に対応したバックオフィス業務のシステムも増えています。フレキシブルワーク導入に際してこうしたツールを取り入れることで、労働環境・作業が最適化され、業務の生産性向上につながるでしょう。

BCP対策

BCPとは、「地震などの災害発生時や、感染症の拡大といった緊急時でも、事業を継続するためのリスク管理計画」です。フレキシブルワークにより、勤務場所の分散や出社を前提としない働き方を導入することで、リスクの低減や早期復旧につながります。BCP対策は、企業に対する信頼度向上にも結びつくでしょう。

▼BCPについて詳しく知りたい方はこちら

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従業員の健康維持

フレックスタイム制でラッシュ時の通勤を避ける、もしくは在宅勤務などの働き方にすることで、通勤によるストレス・負担を軽減できます。通勤時間がなくなれば、プライベートの充実にもつながり、ワークライフバランスが整うでしょう。

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多様な人材が活躍できる

勤務場所や時間の制約を少なくすることで、介護や育児といった家庭の事情に応じて柔軟な働き方が可能になります。また、若年層は近年特に自由度の高い働き方を求める傾向にあります。フレキシブルワークを導入すると、企業で働く人材の多様性にもつながるでしょう。

フレキシブルワークのデメリット

メリットの多いフレキシブルワークですが、注意点もあります。導入時には以下の点に気をつけましょう。

コミュニケーション不足

オフィスへの出社が減ることで、対面でのミーティングや雑談の機会は減少してしまい、コミュニケーション不足につながってしまいます。それによって、相談しづらくなってしまうこともあるでしょう。チャットツールの導入など事前に検討するとよいでしょう。

セキュリティ面のリスク増

自社以外の社員が勤務するシェアオフィスを使用する場合、これまで以上にセキュリティに気をつける必要があります。書類をデスクに置きっぱなしにしない、離席時にパソコンを閉じる、機密性の高い情報を扱う際はオフィスで行う、など利用ルールを策定するとよいでしょう。

フレキシブルワークの具体例

フレキシブルワークのさまざまな取り組みを下記で詳しく解説します。自社に合ったワークスタイルを探してみてください。

自宅でパソコン作業をしている様子

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、「始業時間・終業時間を自由に選択できる」制度です。社員は、自分の都合やタスク状況に応じて労働時間を配分できます。主に1週間・1か月といった単位で労働時間を柔軟に調整できるフルフレックス制と、必ず就業しなければならない時間帯が設定されているコアタイム制があります。自社の業務内容にとって、フルフレックス制とコアタイム制を検討するとよいでしょう。

シフト制

シフト制とは、「就業時間を複数の時間帯に区切り、従業員が交代で働く勤務体制」を指します。医療機関や警備会社など24時間体制の企業で導入されることが多いと言われています。社員にとっても自分の働きたい時間を選択できるメリットがあります。

ジョブ・シェアリング

ジョブ・シェアリングとは、「フルタイム1人分の業務を特定の2名で分担し、評価や待遇についても2人セットで受ける勤務体制」を指します。日本での導入はまだあまり進んでいませんが、人材確保や労働時間短縮に有効なため、欧米では働き方の1つとして定着しています。

テレワーク

テレワークは、「ICTツールを利用してオフィス以外の場所で勤務する働き方」です。通勤の負担を軽減できる、育児・介護と仕事の両立がしやすくなるなどのメリットから、新型コロナウイルスをきっかけに日本でも広く定着しました。主な勤務場所としては自宅のほか、サテライトオフィスやシェアオフィスなどがあります。

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労働時間貯蓄制度

労働時間貯蓄制度とは、「時間外労働を貯蓄し、時間外手当の代わりに有休などに振り替えられる」制度のことです。生産性の高い国として知られるドイツで誕生し、広く導入されています。企業にとっては、残業手当のような雇用コスト上昇を低減し、従業員にとってはワークライフバランスがとりやすくなるメリットがあります。

サバティカル休暇

サバティカル休暇とは、「企業が定めた一定期間の勤務に達すると長期休暇が付与される」制度です。ヨーロッパで普及しています。新たな知識・スキル習得といった自己研鑽はもちろん、長期旅行など趣味・リフレッシュを目的での長期休暇の取得が可能です。期間は企業によって異なりますが、一般的に1か月から1年程度が多いと言われています。

フレキシブルを取れ入れたワークスペースの種類・特徴

働き方の多様化に伴い、「サテライトオフィス」「シェアオフィス」など働く場所の選択肢が増えています。以下でそれぞれの種類・特徴について詳しく解説します。

木目のデスクが特徴的なおしゃれなオフィス

サテライトオフィス

サテライトオフィスとは、「本社オフィスと離れた場所に設置される小規模の自社オフィス」です。社員は、最寄りのサテライトオフィスで勤務できるため、通勤負担を軽減することができます。特に外出の多い営業職の場合は、移動時間を短縮でき、生産性向上につながるでしょう。都市部にある企業が地方や郊外に設置する場合が多いですが、その逆もあります。

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シェアオフィス

シェアオフィスとは、「複数の企業・個人で共用するオフィス形態」を指します。企業にとっては、スペース確保にかかるコストを低減、企業間の人脈形成による事業機会の拡大などが期待できます。一方で、自社のオフィスに比べて情報漏洩のリスクが高くなるので、注意が必要です。シェアオフィスは、オープンなスペースで自由に席を選んで働くフリーアドレス制が一般的ですが、個室スペースを完備しているオフィスもあります。

自宅

ます。新型コロナウイルスの流行により、日本でも自宅で働くことが一般的になりました。但し、住宅環境によっては集中しにくく生産性低下の懸念もあるため、自宅以外の勤務場所も選択できるようにするとよいでしょう。

フレキシブルワークの導入前にやるべきこと

フレキシブルワークを導入するには、事前準備が重要です。まず、勤務時間や場所が変わるため就業規則・労使協定などを見直しましょう。場合によっては、時間ではなく成果での評価に切り替えるといった対応も求められます。オフィス以外での勤務はセキュリティリスクが増加するため、セキュリティ環境の整備はマストでしょう。また、別々の勤務場所でもチームで仕事を進めるためのツール選定や、社員が集中できるようワーキングスペースの確保・整備も必要です。

まとめ

勤務場所・時間の制約を少なくして、働き方の自由度を高めるフレキシブルワークは、企業にとっても従業員にとってもさまざまなメリットがあります。どのような取り組みが自社にフィットするのか、この記事をぜひ参考にしてみてください。
コクヨマーケティングは、それぞれの企業の働き方にあわせた空間作りを提案しています。オフィス移転をはじめとし、移転後のオフィスの維持や運用までワンストップでサポート可能です。コクヨの従業員が実際に働いているオフィスの見学会も実施しているため、ぜひ相談してください。

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