株式会社石﨑本店様は、建築物のガラス窓や外壁に関わる事業を展開されており、「HIROSHIMA ORIZURU TOWER おりづるタワー」「LECT」「HIRODEN etto」「トゥモロウスクエア ひろぎんホールディングス本社ビル」など、地域のランドマークともいえる建物を手掛けられ、その実績は中国地方No.1を誇っておられます。
このたび事業拡大に伴い新工場を併設された社屋を新築され、自社のガラスをふんだんにとりいれ、未来を創造し新たなイノベーションを生み出す新オフィスを構築されました。
オフィス構築前の課題や構築時にこだわったポイントなど、小笹様、浜坂様、佐々木様にお伺いしました。
株式会社石﨑本店
スマートウォール部 住宅課 事務Gr 係長 小笹 可奈子 様 / 製造・施工部 設計Gr 浜坂 美希 様 / 管理・購買部 部長 佐々木 雅敏 様
所在地 | 広島市安芸区矢野新町1丁目2番15号 |
---|---|
URL | https://www.ishizakihonten.co.jp/ |
業種 | 製造業 |
人数 | 110名 |
新社屋を建てられたきっかけを教えてください
(小笹様)
事業拡大の方針があり先に工場を増設する計画がありました。その計画を進める中でホールディングス化という話が出てまいりまして、ホールディングス化するのであれば新体制の事務所を新工場と併設して作るのがいいのではないかということで、この2階建ての建屋を作ることとなりました。
オフィス構築前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください
(小笹様)
食堂を仮設事務所として約1年過ごしましたが、書類も多く整理整頓ができておらず狭くて汚い状況でした。また、休憩する場所や息抜きをする場所が全くなく、一人一台デスクが与えられているのみの事務所でしたので、環境としては良くなかったのかなと思っています。
また、建設業界ということもあり、働き方改革が大きく遅れていると考えています。土日祝日も休みは増えてきましたが、まだまだ決まった休みが取りづらかったり、天候に左右される業界だったりしますので、計画通りに物事が進まないというのが当たり前です。新しい働き方としてフリーアドレスを採用したいと思い仮設事務所でチャレンジしましたが、事務所が狭いこともありうまくできませんでした。
オフィス構築時に、課題解決に向けてこだわったポイントやその理由、またそれを実現した手段について教えてください
PJを組成し、社員の声を取り入れる
(佐々木様)
経営トップからせっかく新社屋を建てて新しく生まれ変わるので、少しでも社員の声を取り入れたものにしたいという意向があり、PJリーダーを拝命されました。最初から予算ありきだと好きなこともできないので、PJメンバーそれぞれにとにかくプランを好きなように出せ、そこでまたみんなですり合わせをしていこうというところでスタートしました。
(小笹様)
新オフィス構築PJメンバーとして3名が選出され、上司からは、あなたたちが使うオフィスなのでしっかり自分たちで考えてやりたいことを自由に提案して欲しいと言われました。その中で 私たちが辿り着いたのは、よりコミュニケーションを取りやすい事務所にしたいということでした。建設現場は オンリーワンの現場で、1つ1つのタスクによって内容も集まるメンバーも違いますので、コミュニケーションがとても重要だと考えています。
また、コクヨさんの働く環境診断「はたナビ」を利用した結果、オンとオフを切り替える場所がない、新しい発想が出にくいなどの課題感があがっていましたので、新しい会社を作っていくにあたり、新しい発想ができるスペースが欲しい・取り入れたいなと思いました。今までにないオフィスというテーマを掲げていましたので、建設業界で は想像しづらいかもしれませんが、“仕事に休憩や遊びを取り入れる“をデザインコンセプトに、カフェ、和室、テラス席、グリーン、カラフルに色を取り入れるなど、レイアウトや内装にこだわったほか、女性目線の事務所が作れたらいいなと思っていました。
フリーアドレスの導入
(小笹様)
レイアウト面では、今回フリーアドレスを導入しましたが、抵抗感もあり一気に全員にフリーアドレスを採用するのは難しいと考えましたので、徐々にフリーアドレスを採用し最後には全員がフリーアドレスになることを目標としたレイアウトにしました。その中でオフィスの両サイドを営業マンが使うフリーアドレスのスペース、真ん中にグリーンがあるデスク、ブーメラン型のデスクを固定席としています。また、当社は経営者から一般社員までワンフロアで働くというのが昔からの風土ですので、役員席はフロアの中心で見渡せるところ、社員からも見えるところに配置したのもポイントです。真ん中にグリーンのあるデスクは、コロナ禍ではグリーンがアクリル板の代わりになりましたし、今はいい目隠しになっていると思っています。固定席は女性社員がメインで使っていますが、隣同士ではなく斜めや正面に座ることでよいコミュニケーションが生まれることを期待して、四角いデスクを選びました。
そのときの業務に合わせて場所を選べる
(浜坂様)
以前の事務所での課題が、社員の人数に対して狭く集中できない環境でしたので、まず一人一人が余裕を持って働ける空間、快適さを重要なポイントとして検討しました。集中して作業ができるブース、窓の外を見て仕事ができるブース、打ち合わせのゾーンなど、業務に応じてゾーン分けができていて、そのときの気分で社員が自分に合った場所で仕事ができるというのがポイントです。
オフィス構築時に、苦労した点は何ですか?またそれをどのように乗り越えられたのか教えてください
(小笹様)
フリーアドレスの採用を目標にしていましたが、やはり新しい働き方に抵抗感がある方が多くいらっしゃいました。マネジメントからは部下や後輩が何をしているのか見えづらいのではないか、一般社員からは上司がどこにいるのか分からないのではないか、という不安から反対意見もあり、できればやりたくないという意見は多かったと思います。あまりに反対意見が多く途中でフリーアドレスはやめた方がいいのではと思いましたが、フリーアドレスの説明会を開いたり、何度も話をしたりするうちに若手メンバーから「やってみようかな」という声が出てきまして、そこから何とか頑張ってフリーアドレスを採用しようという気になりました。
説得する材料の一つとして、コクヨさんにご協力いただき、作業服を着た人のパースを作ってもらったのが非常に効果的だったと思っています。絵で見せると皆もイメージできて安心してくれるのか、物を見せて、絵を見せて、しっかり会話をしてくことが大切だと今回すごく思いました。
今までからは想像つかない事務所を提案しましたので、フリーアドレス採用もそうですが、ネガティブな意見が出てくるのではないかと心配していました。そんな中、おそらく上司が経営陣を説得するのに奔走してくれたと感じています。 今回の成功のポイントは私たちのことを理解してくれる上司がいたことが大きかったと思います。
オフィス構築後、社員皆様の働き方はどのように変わりましたか?感じておられる効果や予想外の反応(良・悪含め)などありましたら教えてください
新しい働き方でコミュニケーション増
(小笹様)
以前の事務所からは想像もできないくらい整理整頓が上手になったと思います。フリーアドレスのメンバーは帰る時にきちんと自分のロッカーに荷物を収めて、机の上もきれいに拭いて帰ってくれるという習慣が自然とできるようになり、驚いています。一方、固定席メンバーは自分のテリトリーがあり安心感からか荷物が増えてきているなと感じており、今後フリーアドレスを展開していく際に課題だと思っています。
固定席で奥行きが狭いデスクがあるのでそこは不安点でしたが、今回のオフィスのポイントである立って話ができるスペースや共有スペースに移動して作業をする方も増えており、かつ、そこで 新たなコミュニケーションが生まれているのを目にしますので、社員の柔軟性やポテンシャルがすごいと改めて思っています。
(浜坂様)
フリーアドレスで毎日座る位置が変わることで見える景色が違ったり、周りにいるメンバーも変わったり、いつも新鮮な気持ちで仕事ができるようになったと思います。特に他部署の方とのコミュニケーションが増えました。個人的には、カフェスペースがお気に入りで、イスが少し高い位置にあるので立っている人と目線が一緒になって話しやすいです。
エントリー率100%!リクルート面で大きな効果
(小笹様)
一番大きい効果はリクルート面です。オフィスが広島中心部から少し外れた場所なのですが、学生の皆さんがこの場所にこんなオフィスがあると思わず驚かれて、会社説明会に来てくれた方のほぼ100%が当社にエントリーしてくださっています。リクルート面でもこの事務所にして良かったと思っています。「まさか矢野にこんな事務所があるの?」というのがやりたかったんです。
建設業界の事務所は、机がただ並んでいるだけ、色味がない、グリーンがないというのをイメージされがちですが、それだとこれからの建設業界おもしろくないですし、新しくて良い物を作っていけないのではと思っています。かなり奇抜な事務所でチャレンジでしたが、今はチャレンジして良かったと思っています。
(佐々木様)
今までが職員室のような事務所でしたので、果たしてこういうオフィスで私自身含め仕事ができるのかなと思いましたが、意外と適応できるなというのを実感しています。ここが竣工してから、お客様や業界のメーカーの方が来社されたとき、「こんなオフィス広島にないですよ」とお褒めの言葉をいただくので本当によかったなと思います。PJメンバーは仕事と兼務ながらも結束してまじめに取り組んでくれて、本当に感謝しています。
コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください
(小笹様)
コクヨさんは最初から自分のオフィスのように私たちの事務所のことを考えてくださり、私たちは事務所を建てるのが初めてで、曖昧な表現や曖昧な思いだけを伝えるのですが、そこを汲み取って想像以上の提案をしてくださったことが本当にありがたかったです。広島ライブオフィスには新しい働き方が詰まっており、何度も刺激を受けに見学させていただきました。一緒にいろいろな意見を出し合ってオフィスづくりしていくプロセスが楽しかったです。コクヨさんがいなければこのオフィスはできていなかったと思っています。最高のパートナーです。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します