社員が成長を続けることで企業の成長につながる「まなびの杜」

互いに刺激しあい、切磋琢磨して働くことのできるオフィス環境の構築

1964年に創立された株式会社グリーンズ様は、創業時からホテル事業を運営され、現在はチョイスホテルズインターナショナル社が展開する「コンフォートホテル」や「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」などのチョイスブランドの日本展開と、創業時から展開している地域密着型のオリジナルブランドの2軸を主として、日本全国に98店舗のホテルを展開されています。(2024年2月時点)
このたび新経営体制への移行を機に、株式会社グリーンズとして新たなステージへ進まれるタイミングで、本社ビルの建て替えを実施されました。
建て替え前の課題やテナントビルに仮移転された際の苦労、オフィス構築時にこだわったポイントなど、オフィス構築に携わられた石原昌佳 様、廣光健治 様にお話を伺いました。

株式会社グリーンズ

人財戦略室 室長 石原昌佳 様、総務部 部長 廣光健治 様

所在地 三重県四日市市浜田町5-3
URL https://www.kk-greens.jp/
業種 その他
人数 約130名
面積 約650坪
受賞歴 第36回日経ニューオフィス賞 中部ニューオフィス推進賞

オフィス建て替えのきっかけを教えてください

(廣光様)
以前の本社は築50年以上のビルで、耐震面での不安もあり、建て替えに踏み切りました。本社ビルの場所は創業の地であり、三重県第二の都市である四日市市の近鉄四日市駅から徒歩4分ほどの場所にあります。将来的に本社ビル正面の中央通りには、鉄道やバス、タクシーなど、多様な交通モードがつながる集約型の公共交通ターミナルであるバスタが建設される予定となっており、今後発展が期待されるエリアです。地域貢献という視点でも、今回の建て替えは大きな意味があったと考えています。

(石原様)
2018年に新経営体制へ移行したことをきっかけに、2019年中期経営計画を発表し、弊社は新たなステージへ進むことを宣言しています。弊社はサービス業ということもありますが、人が成長することで、成長を続けてきた企業です。私は人財戦略室に在籍し、主に従業員への研修や教育プログラムを担当しているのですが、従業員に、常に良いパフォーマンスを発揮してもらうためにはエンゲージメントが重要だと考えています。これらを高めるような企画提案も部署の役割になっています。建て替え後の新本社オフィスは、本社で働くメンバーのみならず、研修等で全国の従業員が使用します。人財戦略を検討・推進していく上でも新本社オフィスは大変重要な場所となります。新本社ビルは、1階がオフィスとホテルのエントランス、2階に会議室や研修用のスペースがあり、3階から5階が執務スペース、6階から13階がコンフォートホテル四日市になっています。コンフォートホテル四日市はフラッグシップホテルという位置づけとしており、
・オフィスで研修を実施して、すぐに上のホテルで実践をする
・オフィスで検討・試作した新商品を、すぐに上のホテルで実践・検証をする
というように、私たちの働き方や価値提供の方法・スピードなどを大きく変化させることで私たち自身がさらに発展・成長し続けられる環境を整備したいと考えていました。

オフィス構築前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください

社内コミュニケーションの促進

(石原様)
以前の本社オフィスビルは、メンバー増員の際、隣接ビルのフロアをお借りして、執務スペースをつくることで働く場所を確保していました。フロアが分かれていることで、同じ会社なのに知らない方がたくさんいる状態で、別の部署の方と新たな取り組みをする際も、まず自己紹介からスタートするというような状況でした。また、執務スペースは固定席運用だったのですが、自分の席で自分の仕事をひたすら黙々とやっていたように記憶しています。メンバーと力を合わせて良いモノをつくる、というような働き方ではなかったように感じています。

オフィスの音問題解消

(石原様)
労務トラブルやハラスメントなど比較的機密性の高い内容を話す際、オフィス内に声が漏れてしまうことがあり、課題に感じていました。仮移転先のオフィスでも、執務スペースが円状のつくりになっていたことでオフィス内の声がよく響いており、機密性の高い電話や打合せをする際の行き場所がなく、困ることが多かったです。

効率的に働くことができる環境づくり

(石原様)
以前の本社オフィスで働いていた頃は、紙文化が根強く、紙で稟議決裁を行っていたほどでした。紙に押印して、上司に送付して、ということをしていると決裁に1週間から半月かかることもあり非効率でした。また、旧本社ビルは築50年ということもあり、オフィス内にモノが多く、引っ越しの際オフィス内を整理してみると、不要なものがたくさんありました。オフィスの使い方としても効率がよかったとは言えない状況でしたね。さらに、ホテルの効率的な活用という視点において、以前の本社オフィスビルには、創業時からあるオリジナルブランドの「新四日市ホテル」が併設されていました。しかし、急速に全国で店舗数を増やしているコンフォートホテルの開発や検証を行うには、わざわざ他県にあるコンフォートホテルまで足を運ばねばならず、その点では大変効率が悪かったと感じています。

拠点間におけるコミュニケーション方法の変革

(石原様)
私たちはホテルで働くメンバーとも連携を取ることが多く、拠点の方々は何かあれば、まず電話をくださっていたのですが、すぐに電話が取れず対応できなかったりして、大変非効率でした。本部側からの通知やマニュアルの整備が行き届いていないことも、問い合わせをいただく大きな要因であったので、本部側としても発信方法や内容の再検討に努めました。さらに、FAQシステムを導入することで、問い合わせをする前に、まず調べていただけるような環境を整備しました。これらにより、現在は電話の本数を大幅に減らすことができ、本社オフィスで働くメンバーだけでなく、拠点の方々の働き方も大きく変えることができました。以前はホテルの24時間営業に合わせて、本社オフィスでも朝早くから夜遅くまで働く当番制があり、年末年始も休まないということがありましたが、現在は自身のフィールドでしっかり働くことが重要という認識に変わってきています。同じ会社で働くメンバーとはいえ、それぞれ役割が異なるわけですから、お互いに与えられた役割を全力で全うすることが大切だと考えます。

オフィス構築時に、課題解決に向けてこだわったポイントやその理由、またそれを実現した手段について教えてください

成長を後押しする環境づくり

(石原様)
弊社は人が成長をすることで、企業としても成長を続けてきた、という文化があります。そのため、以前から研修等を通して人への投資は積極的に行っていました。新本社オフィスが研修における成長の場というだけではなく、通常業務時から常に互いが刺激しあい、切磋琢磨して働くことができる環境になるようにと、検討を進めていきました。2階にある研修スペースはオープンな空間になっており、別のフロアで執務をしているメンバーから様子が見えるようなつくりになっています。私が研修を行っていると「今日は何の研修をしているの」と声をかけていただくことが多く、みなさん気にかけてくださっているようです。若手メンバーが一生懸命研修を受けている姿を見ると、いい意味で刺激を受けますよね。研修を受けているメンバーだけではなく、オフィスで働くメンバーも含めて、互いに刺激しあい、学び、成長を促せるような空間をつくることができたと思います。
また、新本社オフィスにある一部の会議室はガラス張りになっており、会議室内の様子が外から見えるようになっています。打合せスペースもオープンな環境に整備しているので、誰がどこでどんな業務をして、どんな話をしているかがわかるようになりました。部署を横断した取り組みも、誰がどのプロジェクトや委員会に属していて、どんな活動をしているのか、今まで知らなかった人に対して、取り組み内容や活動状況を知ってもらえるようになって、委員会にも所属している私としては、とてもよかったと思っています。

(廣光様)
新本社オフィスは「まなびの杜」をコンセプトとしており、オフィス内の吹き抜けを幹に見立て、各フロアへ枝分かれをしているようなイメージで設計されています。吹き抜け部分に階段が設置されており、階段を使ってフロア移動しているメンバーも多く、私自身、仕事の発想が行き詰まっている時に、階段を使って移動しているメンバーに気軽に話しかけて相談ができるという環境はとてもありがたいと感じています。コミュニケーションが取りやすく、仕事がスムーズに進むようになった印象です。

フリーアドレスの導入

仮移転先のオフィスに引っ越しをした際、フリーアドレスの運用を始めました。新本社オフィスでもフリーアドレスは継続していて、その時の気分や業務内容によって、執務する席を選んだり、あまり話したことのない人の横に座ったりすることで、新たな気づきや発見があり、固定席の時よりも刺激を受ける機会が増えています。さらに、その日の仕事の予定により、関係する人や相談したい人の近くに座ることで、スムーズなコミュニケーションに繋がり、連携して業務を進めやすくなりました。フリーアドレスのおかげか、オフィスが常に整理整頓されているように感じます。

地域に開かれた本社オフィス

(廣光様)
本社オフィスのある場所は、創業の地であり、地域の方々へ開かれて、安心感を与えられるようなビルでありたい、という想いがあります。令和2年に国土交通省で「まちなかウォーカブル推進事業」が新設され、四日市では「ニワミチよっかいち」という名称で中央通り再編計画の検討が進められています。居心地がよく、歩きたくなる魅力的なまちなかの実現を目指しており、弊社でも地域貢献の一環として、四日市を盛り上げるために先陣を切って取り組みを進めました。新本社オフィス開業セレモニーの際には、市長にもご参加をいただき、大変嬉しく思っています。これから四日市全体が盛り上がっていくのが楽しみです。

オフィス構築時に、苦労した点は何ですか?またそれをどのように乗り越えられたのか教えてください

オフィス見学ツアーの実施

(廣光様)
仮移転先のオフィスに引っ越すことが決まった際、別々のフロアで働いていたメンバーと同じフロアで働くことや、固定席からフリーアドレス運用に変わることなど、働く環境だけでなく働き方も大きく変わることから、従業員は大変戸惑っていました。働き方の変革や引っ越しを経験したことがない者ばかりだったので、どうなるのか想像がつかない、まず何をしたらよいのか、と皆さん不安に思っていました。そこで、従業員の不安を払拭するべく、仮移転先オフィスの見学ツアーを実施することにしました。実際にこれから働くオフィスはどんな場所なのか、そこでどんな働き方をするのか、一からきちんと説明し、わからないという人がいれば、繰り返し何度も、丁寧に説明するよう心掛けました。7回くらい見学ツアーを実施したような気がします。最初は抵抗感を示していた従業員も、事務局が推し進めていた移転プロジェクトに主体的に参加し、結果的に仮移転先のオフィスでの執務をスムーズに開始することができました。仮移転先のオフィスからこの新本社オフィスに戻った際は、引っ越しや執務環境の変化を一度経験していることもあり、スムーズに移転作業を進めることができました。

ハウスルールのアップデート

(廣光様)
弊社の本社オフィスではハウスルールを作っています。これは総務部にて作成しており、本社オフィスでの働き方やオフィスの使い方が記載されている共通ルールで、以前の本社オフィスの頃より運用しています。今回、働く環境や働き方が大きく変わり、ハウスルールの大幅な更新を行いました。「何かわからないことがあれば、まずハウスルールを確認する」ことで、新たな環境・新しい働き方でも、安心して働ける状況を提供できるよう整備を進めました。常に最新の状況が掲載できるよう、現在も更新を続けています。

コロナ禍における新オフィス建て替え計画

(石原様)
2019年に仮移転先のオフィスに引っ越しましたが、その翌年に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、国内外の宿泊需要が激減し、弊社は大きな影響を受けました。オフィス建て替え計画はどうなる、会社はどうなってしまうのかと社内に不安な空気が漂いました。そんな中、社長は当初から「需要は必ず戻ってくる、戻った時にいち早くスタートダッシュが切れるようにするにはどうしたらよいか、みんなで考えよう」と、私たちに繰り返し言い続けて下さいました。私たちはその言葉を信じて、新本社オフィスの建て替え計画を成功させるため、メンバー全員で検討を進めていきました。結果的に計画通りに新本社オフィスの建て替えを実施することができて、本当によかったです。

オフィス構築後、従業員の皆様の働き方はどのように変わりましたか?感じておられる効果や予想外の反応(良・悪含め)などありましたら教えてください

空間利用満足度調査

(石原様)
今回、移転前と移転後で空間利用満足度調査を実施しました。
①    新しい働き方・業務に合致した環境
②    研修などを通じた本社・事業所の一体感
③    地域に開かれ、安心・魅力ある環境
の項目で、すべて移転前より移転後の数値が上昇していました。その中でも「新しい働き方・業務に合致した環境」の上昇ポイントが特に高く、皆さんが新しい働き方に前向きに取り組んでくださっていることを実感しました。

健康への意識

(石原様)
新本社オフィスは、吹き抜け部分に階段が設置されており、階段を使用してフロア移動をするメンバーが多いのですが、仮移転先のオフィスにいる時より、万歩計の歩数が増えているという声も聞こえており、健康面での嬉しい影響がありました。社長も毎朝階段を上りながら、オフィスで働くメンバーに「おはよう」と声をかけて、社長室まで向かわれています。また、心の健康という意味では、オープンなオフィス空間の中でフリーアドレス運用をしていることで、同じオフィスで働くメンバーが大変そうな状況や、困っていそうな状況と見受けられたときに、気軽に声をかけることができるようになったと思っています。階段を使用してフロア移動がスムーズにできることもあってか、オフィスで話しかけられる機会が増えたように感じています。

新しい取り組みの加速

(石原様)
社内のコミュニケーション活性化による影響か、新しい宿泊プランが打ち出されたり、新しいパートナーとの契約が発表されたりと、ここにきて一気に新たな取り組みが加速しているようです。オフィス環境の重要さを実感しましたね。新本社オフィスは、常に新しい空気に触れることができて、イマジネーションがどんどん膨らんでいくような気がしています。

WEB会議の促進によるコミュニケーション活性化

(石原様)
弊社は拠点メンバーとのコミュニケーションも多いため、コロナ禍以前よりWEB会議を導入していました。コロナ禍は移動制限があったこともあり、WEB会議でコミュニケーションを取るしかありませんでしたが、やってみると意外に良いことに気が付きました。WEB会議の活用によって、コミュニケーションの頻度は上がったように思います。私は職種柄、中途入社の方々と面談をするのですが、電話だと相手の状況が見えず、相手も答えにくそうにすることもあったので、今はWEB会議で面談を実施しています。弊社がサービス業で、コミュニケーションが基本、傾聴の姿勢が大事という認識が皆さんに定着しているということもあってか、画面越しでも皆さんきちんとリアクションをしてくださいます。ちゃんとこちらの話を聞いてくれているなと感じますし、互いに話しやすい空気をつくっているので、WEB会議でもリアルと同じような質のコミュニケーションを実現できていると考えています。

(廣光様)
新本社オフィスは、執務スペースのどこでもWEB会議ができるようになっています。オフィスのいろいろな場所でWEB会議が実施されている様子を目にするので、拠点メンバーやお取引先様とのやり取りもしやすくなっているのではないでしょうか。

エンゲージメントの向上

(石原様)
今まで、入社式は系列ホテルの宴会場で実施していましたが、2023年の入社式は新本社オフィスで実施しました。入社式を実施した後、5階フロアから吹き抜けに設置されている階段を、新入社員が一列になって並んで降りてくるのですが、そこに各フロアから団扇などを振りながら「おめでとう」「頑張ろうね」と先輩社員の方々が声をかけていきました。入社式というのは、関わらない部署の皆さんにとっては接点がなかったイベントでしたが、2023年の入社式は皆さんに見守っていただき、お迎えいただいて、とても温かい雰囲気でした。社会人になりたての新入社員の方々は不安でいっぱいだと思うので、自分が働く会社はどんな場所で、どんな人たちと働くのかを、最初に見て、感じてもらいたかったのです。2023年の入社式は、新入社員の方々にとって印象に残るイベントだったのではないでしょうか。これから現場の研修になると大変なシーンもたくさんあるかと思いますが、入社式を思い出して頑張ってくれると嬉しいなと思っています。

自分たちのオフィスに対する意識の変化

(石原様)
今回の本社建て替えにあたり、検討プロジェクトが発足しました。業界柄もあってか「お客様第一」という考え方なので、自分たちの働き方や、働く場所に欲がない人が多く、自分たちがどんな働き方をしたいか、どんな場所で働きたいかという視点は、今までほぼありませんでした。そんな中で、私は今回プロジェクトに携わったことで「働き方や働く環境」が、企業にとってどれだけ重要な意味があるのかを認識することができました。新本社オフィスで働く皆さんも、今まさにそれを実感されているのではないでしょうか。

コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください

(石原様)
今回コクヨさんにはオフィス家具のご提案をいただきました。私たちの新本社オフィスをしっかりと理解してくださった上で、寄り添ったご提案をいただけるか、既存家具を多く活用予定だったため、新規家具と調和させてちぐはぐにならないようご提案をいただけるか、家具のデザインや機能性、運用面等、様々な評価軸がありましたが、結果的にコクヨさんが一番票を集めました。評価させていただいた時から納品後まで印象が変わることはなく、今回お願いして良かったと感じています。

(廣光様)
個人的には営業の方のプレゼンがとてもわかりやすく、熱意を感じました。提案内容や納期、価格が同じものをどちらから買うかとなった場合、どれだけ私たちに寄り添ってくださるか、どれだけ私たちを想って提案してくださるか、それが強かった方にお願いしたくなりますよね。また、プレゼンは3社にお願いしたのですが、コクヨさんには何事にも対応いただけるような安心感を覚えました。私は事務局という立場でしたので、トラブルなど発生した際もきちんとご対応いただけて、非常にありがたかったです。
採用したオフィス家具は、コクヨさんの名古屋ライブオフィスや東京ショールームまでご招待いただき、実際の商品を見て、触って検討できたことがよかったです。
新本社オフィスで働くメンバーの増加により、座席数を増やす検討をこれから始めようとしています。現在の環境を維持したままで、席数を増やすという難しい課題ですが、引き続きコクヨさんの力をお借りして、私たちの「まなびの杜」を進化させ続けていきたいと考えています。

設計施工                        :株式会社 竹中工務店 名古屋支店
ワークプレイスコンサルティング  :株式会社 竹中工務店 ワークプレイスプロデュース本部

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