法人が引っ越しするときに必要な手続きとは|住所変更や登記はどうする?

法人が引っ越しをするには、個人の引っ越しとは異なる手続きが必要です。初めてオフィスを移転するという場合は、事前に必要な手続きなどについて確認しておきましょう。
この記事では、これからオフィスや事務所の引っ越しを考えている経営者や担当者の方に向けて、法人の引っ越しについて詳しく解説します。

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法人の引っ越しは準備に時間がかかる

オフィスや事務所の引っ越しは、事前に検討しておくべき項目がたくさんあります。新しいオフィスのレイアウトや配線の設計、インターネット環境の整備、取引先への移転案内など、個人の引っ越しよりも多くの準備が必要です。また、役所への各種手続きも必要となってきます。
引っ越しのために会社を長期間休業するわけにはいかないほか、法人の引っ越しには、約8か月程度の準備期間が必要ですので、限られた期間でスムーズに進められるように事前に綿密な準備をしましょう。

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法人が引っ越し前にすること

ここでは、法人が引っ越しする際に、事前に対応しておくべきことについて解説します。

解約通知

賃貸人(オーナー)と普通借家契約を結んでいる場合、1 年前から 6 か月前までの間に、相手方に対して更新をしない旨の通知(解約通知)をしましょう。6か月以内に解約する場合は、解約料が発生するケースもありますので、事前に現在入居中のオフィスの賃貸契約条件を確認しておくことをおすすめします。定期借家契約の場合は、予め賃貸人(オーナー)と入居時に契約した期間の満了をもって契約が終了します。

物件探し

新しいオフィスとなる物件探しを行います。駅からのアクセスや従業員数に合った広さなど、従業員が通いやすく、働きやすい環境を実現できるような物件を探しましょう。賃料などのコストや利用できる交通機関、周辺環境なども確認が必要です。引っ越しにより、賃料単価が下がったとしても、交通費がアップする場合は賃料の削減効果が得られない場合もあります。また、顧客、社外パートナーなど来客が多い場合は、駅から何分も歩かなければならないような場所は避けたほうがよいでしょう。

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新しいオフィスのレイアウトを決める

物件が決まったら、新しいオフィスのレイアウトを決めます。オフィスのレイアウトは、社員満足度や業務効率を左右する重要なポイントです。一人当たりのオフィス面積、部署ごとのエリアの広さや会議室の位置など、働き方に合わせてレイアウトを設計しましょう。
どんなオフィスにするかイメージが固まっていない場合は、事前に従業員に対しオフィスサーベイを実施して、新オフィスに必要なエリアや機能を検討する方法もあります。専門業者に依頼するとスムーズです。

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コクヨマーケティング株式会社では、物件探しから引っ越しまで、丸ごとサポートします。面倒な引っ越し準備を任せられるだけでなく、最適なレイアウトやオフィス家具の提案、現状調査まで対応します。

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オフィスレイアウトやデザインについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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引っ越し業者の選定

オフィスの移転を任せられる業者を選定します。個人の引っ越しと同じように、複数の業者に見積を依頼して費用やサービス内容を比較して選びましょう。移転に伴って廃棄したいものがある場合は、不用品の引取サービスを行っている業者に依頼してください。
引っ越しの検討からオフィス構築まで、数か月~1年以上かかる長期プロジェクトになりますので、オフィスづくりを一緒に進めるパートナー選びは、継続的なお付き合いができるかどうか 、自社が理想とするオフィスを実現できるのかなど、 費用だけではなく、複数の視点から比較・検討し 、慎重に進める ことが大切 です。

取引先への連絡

引っ越し先や引っ越しの日程が決まったら、取引先に新しい住所を報告しなければなりません。引っ越し作業で休業期間が発生する場合はその期間も知らせする必要があります。電話番号やFAX番号が変わる場合は、新住所とあわせて新しい番号も記載してください。
また、会社のサイトや名刺、社用封筒に記載されている住所や電話番号も変更が必要です。

荷造り

引っ越し業者や日程が決まったら、荷造りをして引っ越しの準備を進めます。備品や機材などをまとめ、壊れないようにしっかり梱包しましょう。ダンボールには部署や設置場所などがわかるように、見やすい場所にラベルを貼ります。
引っ越しのタイミングで不要なものを捨てるのもおすすめです。必要なものだけを新オフィスに持っていけるように、不用品の廃棄も同時に進めましょう。

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法人が引っ越し後に行うこと

次に、法人が引っ越し後に行うことについて解説します。

旧オフィスの原状回復工事

オフィスを退去するにあたり、 壁や天井、床等を 入居時の 状態 に戻して返却するのが一般的ですので、工事の範囲や期間、期限、指定業者の有無を貸主へ確認するようにしましょう。原状回復工事については、貸主指定の工事業者に発注するよう定められていることが比較的多いです。工事を実施してくれる業者は事前に手配しておきましょう。どこまでの原状回復が必要になるのかは、管理会社や大家さんに確認が必要です。解約手続きを進める際に、原状回復についても確認しておいてください。

梱包開封

引っ越し後は荷物が梱包されたままの状態のため、荷解きをしなければなりません。早く日常業務に戻れるように速やかに荷解きをして、新オフィスの環境を整えます。
法人の引っ越しは大量の梱包資材を使うため、開封後の処理についても考えておかなければなりません。ダンボールや緩衝材などの資材をどのように処理するのか、事前に調べておきましょう。
また、旧オフィスで書類削減が課題になっている場合は、引越し作業で書類の廃棄や整理も必ず行いますので、そのタイミングでファイリングを見直すことをおすすめします。

書類量の単位「ファイルメーター」とは?書類削減の方法も併せて解説! | コラム | オフィス移転・レイアウト・デザイン | コクヨマーケティング

電話やインターネット環境の整備

新オフィスで業務を開始するには、まず電話やインターネット環境を整備する必要があります。引っ越し日から電話やインターネットが使えるように、契約や業者の手配をしておきましょう。引っ越し後に従業員が電話の設置やパソコンの設定などに迷わないように、事前にマニュアルを作って配布しておくという方法もあります。

各種手続き

法人の住所が変わると、さまざまなところへ手続きしなければなりません。手続きに漏れがあるとトラブルに発展する恐れもあるため、あらかじめどのような手続きが必要になるのか把握しておきましょう。
具体的にどんな手続が必要なのか、次章で詳しく解説します。

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法人が引っ越し後に必要な手続き

ここでは、法人が引っ越しした後に必要となる主な手続きについて解説します。
記載内容につきましては、全ての内容ではないこと、調査時点から変更している場合もありますので、提出書類や提出期限などの詳細につきましては、関係官庁にお問い合わせください。

法務局

法人の住所が変わると、法務局に登記の変更を報告しなければなりません。移転日から2週間以内に、管轄の法務局に変更登記申請書を提出しましょう。
申請には株主総会議事録、取締役会議事録などが必要になります。

税務署

法務局で登記変更手続きが完了したら、すみやかに税務署に必要書類を提出しましょう。具体的には、所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書、給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書、移転完了後の登記簿謄本などが必要です。

労働基準監督署

労働基準監督署には、労働保険名称・所在地等変更届、労働基準法に関するもの、安全衛生法に関するものなどを提出します。

公共職業安定所

公共職業安定所には、移転した日から10日以内に雇用保険事業主事業所各種変更届を提出します。営業許可証や登記事項証明書など、記載内容を確認できる書類を添付して提出してください。

郵便局

旧住所に届いた郵便物を新オフィスに転送するために、郵便局に転居届を提出しましょう。引っ越し後しばらくは、旧住所宛に郵便物が送られてくるケースがあります。この手続は引っ越し前から提出できるため、引っ越し前に申請しておくと安心です。

年金事務所

年金事務所に提出が必要となるのは、適用事業所名称、所在地変更(訂正)届です。提出期限は移転後5日以内で、登記簿謄本のコピーを添付する必要があります。

警察署

社用車を保有している場合は、車庫証明をするために自動車保管場所証明申請書を警察署に提出しなければなりません。届け出の期限は特に定められていませんが、提出しなければ原則社用車は持てないため、すみやかに提出しましょう。

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必要書類一覧 

主な必要書類と提出先の一覧です。記載内容につきましては、全ての内容ではないこと、調査時点から変更している場合もあります。提出書類や提出期限などの詳細につきましては、関係官庁にお問い合わせのうえ、ご確認ください。

手続き先 申請内容 窓口 必要書類 提出期限
法務局(登記所)

本店移転の場合:本店移転登記申請書

 

支店移転の場合:支店移転登記申請書

旧オフィスの所轄登記所商業法人係

本店:取締役会議議事録または株主総会議事録

 

支店:取締役会議議事録

本店:移転日から2週間以内


支店:移転日から3週間以内

税務署  事業年度、納税地、その他の変更届出書、 本店移転登記申請 旧オフィス、新オフィスの管轄税務署 移転完了後の登記簿謄本 移転後、速やかに
税務署 給与支払事業所等を開設・移転・廃止届出書 旧オフィス、新オフィスの管轄税務署 登記簿謄本または、登記に関す 務署 ある内容の変更が確認できる書類 の写し 移転日から1か月以内
都道府県税事務所 事業開始等申告書 新・旧オフィスの管轄税務署 移転完了後の登記簿謄本  移転後、速やかに
社会保険事務所 適用事業所所在地・名称変更(訂正)届  旧オフィスの社会保険事務所 事務所ごとに書類が異なる場合があるため要確認 変更のあった日の翌日から起算して5日以内
公共職業安定所 事業主事業所各種変更届 新所轄事務所適用係 変更のあった日の翌日から起算して10日以内
消防署 防火管理者選任届 新所轄消防署予防課 移転先に入居する日までに 
郵便局 郵便物届出変更届 旧オフィスの受持郵便局 移転判明後、速やかに
NTT ・電話架設申込 (新規申込、契約済の電話の移設)
・旧オフィスの電話撤去依頼
NTT (116番)、 契約電話会社
移転判明後、速やかに
労働基準監督署 労働保険名称・所在地等変更届

・同一所轄内での移転の場合:所轄監督署

・同県内での管轄外への移転の場合:新所轄監督署

・県外への移転の場合:旧所轄監督署へ廃止届を提出し、新所轄監督署へ成立届を提出

保険関係が成立した翌日から10日以内
労働基準監督署 労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書・労働保険関係成立書 同上

労働保険確定保険料申告書:保険関係が消滅した翌日から50日以内

 

労働保険概算保険申告書:保険関係が成立した日から50日以内

 

成立届:保険関係が成立した日の翌日から10日以内

労働基準監督署

労働基準法に関するもの

・適用事業報告書

・その他就業規則(変更)届

・時間外労働、休日労働に関する協議届

新所轄監督署へ新規として提出 移転後、速やかに
労働基準監督署

安全衛生法に関するもの

・安全管理者選任報告(様式第3号)

・衛生管理者選任報告(様式第4号)

・産業医選任報告(書式第4号)

同上 移転後、速やかに

まとめ

法人の引っ越しは、個人の引っ越しよりも規模が大きく、たくさんの手続きが必要です。スムーズに移転して業務を再開できるように、事前に必要な手続きや作業について把握し、しっかり準備を進めましょう。

コクヨマーケティング株式会社では、オフィスの移転や改装をサポートしています。移転自体のお手伝いはもちろん、移転後のオフィス維持や運用まで、ワンストップで対応します。コクヨ社員が実際に働くオフィスが見られる「オフィス見学会」も実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

オフィスの移転に関して

コストを抑えて移転を行いたいです。どんな方法がありますか?

コストを抑えた移転は、移転先ビルの選定から始まります。

お客様の働き方から、出勤率やオフィス機能を見極め、契約面積を最適化する事が重要になります。

ぜひ、移転先のビル検討からご相談ください。

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見積もりを依頼する際に用意しておくことはありますか?

移転費用は、オフィスの面積や諸条件によって大きく異なります。

基本的には弊社の担当者が現場へお伺いし、現地調査を行った上で、お見積りを作成いたします。

現状の平面レイアウト図や移転先の図面をご用意いただければ、より早くお見積りが可能です。

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見積もり段階での費用は発生しますか?

基本的にお見積りは無料で対応しております。費用が発生する場合は、事前にご連絡いたします。お気軽にご相談ください。

大体どのくらい前から準備をすれば良いですか?

平均8ヵ月~1年程度の準備期間が必要です。規模にもよりますが、短期の移転でもコクヨマーケティングなら、計画立案から移転先オフィス運用までのスケジュール提案・管理が可能です。

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オフィス移転の経験がないため、何から手を付ければ良いか分かりません

お客様の環境・状況によって、何から始めれば良いのかは全く異なります。
コクヨマーケティングでは、ヒアリングや現状調査を行う事で、お客様それぞれのゴールイメージを明確化し、いつまでに何を行う必要があるのかを適切にご提案いたします。

移転準備の業務まで手が回るか心配です

年間25,000件以上の実績を持つコクヨマーケティングは、お客様の移転プロジェクトを円滑に進めるために、移転先ビルの選定からオフィスの運用まで、ワンストップでサポートいたします。経験豊富な弊社のスタッフにおまかせください。

オフィスのリニューアルに関して

社内のレイアウトを変更したいのですが、現状図がありません

正確なレイアウト設計を行うため、直接現場へお伺いして実測し、現状図を作成いたします。OA機器、サーバー、電話交換機の配線状況や、家具配置の安全性なども考慮した上で、現状図作成から変更図の作成も可能です。

業務を続けながら施工してもらうことは可能ですか?

ご依頼の内容によって異なります。家具の移動や配線工事であれば、業務を続けながら施工を行う事が可能です。
造作やパーティションの解体など、工具の音が大きく、作業スペースが必要な場合は、ビル管理と調整しながら、土日や夜間を利用して安全に施工を行います。お客様ごとに詳細なお打ち合わせをし、最適なスケジュールをご提案いたします。

どのくらいの費用がかかりますか?

リニューアル費用は、オフィスの現状や、お客様の解決すべき課題、目指す働き方によって、大きく異なります。
コクヨマーケティングでは、オフィスづくりのプロフェッショナルがヒアリングや現状調査を行い、家具やICT、内装工事からオフィスの運用方法まで、幅広いご提案をいたします。お見積りは無料で対応しております。お気軽にご相談ください。

フリーアドレスやWEB会議の導入など、新しい働き方の提案も行っていただけますか?

はい。社会の変化やお客様の課題に対して、柔軟に対応できる働き方を様々な角度からご提案いたします。時代の動きに合わせて、これからの新しい働き方を一緒に考えていただけるのが「コクヨライブオフィス」です。コクヨ社員が多様な働き方を実践するオフィスをご案内させていただきます。

詳しくはオフィス見学のページをご確認ください。

各部署の意見を取り入れたリニューアルを行いたいです。何か方法はありますか?

コクヨの働く環境診断 はたナビ プロ」によって、社員の意識やオフィス環境の課題の見える化と、優先順位付けが可能です。

各社員に専用WEBページの案内をメールで発信し、任意の期間内で64問の質問に回答して頂く仕組みです。

コクヨマーケティングでは、診断結果をもとにレポートを作成、お客様に合ったプランをご提案いたします。診断は無料です。お気軽にお問合せください。