文房具は経費なのか、 それとも投資なのか[効率化=〇〇削減]の方程式では成立しにくい時代

ー 文房具ブームで見えてきた、ワーカーの新しい潮流 ー

TV番組や雑誌での特集や、ムック本の発刊など、ここ5年ほど文房具ブームと言われるトレンドが起きています。

約10年前までは企業などの法人にとって、文房具は経費と捉えられてきました。
最たる例としては、リーマンショックで大不況が訪れた時に起きたことが挙げられます。
当時は全国で経費削減の号令が出され、ある企業では机の引き出しに眠っている文房具をかき集め「文具狩り」などという
不名誉な名称で経費削減の象徴ともなったこともあるほどです。

その後、“文房具は会社から支給されるもの”という常識が変わり、その波はまず手帳に及びました。
すると、“どうせ自分で買うのならば使い勝手のよいもの”、“気に入ったものを選んで買いたい”という消費者心理と相まって
手帳ブームとなり、不景気の中でも年々市場が拡大していったのです。

気にいった手帳を購入するようになると、そこに書く相方として筆記具も注目されるようになっていきました。

お小遣い程度の金額で、自分へのご褒美になったり、結果的に同僚とのコミュニケーションにもなるといった副次的な効能もありました。
こうして連鎖的に文房具ブームへと結びついたのです。

1.再燃する企業の文房具への関心

個人の文房具への関心が高まりブームとなる一方、ここ数年オフィスのリニューアルや移転時に、文房具を使って
クリエイティブな空間を創りたいという企業からの相談が増えています。

かつてはコストとしていた文房具に再び企業から関心を持たれるようになった要因に働き方改革があると考えています。

世の中の大きな関心事になり、バズワードにもなっている「働き方改革」ですが、それがどの様に文房具の関心につながっているのか説明したいと思います。

2.働き方改革には2面性がある

まず、働き方改革の論点として、世界的な競争力を高めるためにワーカーの生産性改善が挙げられます。

では「生産性」とは何を指すのでしょうか。

上記の図式により生産性を高めるには、1)成果を高めるか、2)コストを抑制するかということになります。

後者はいわゆるコストカッターとも言われますし、改善などによる効率化を目指しています。
ファシリティ的には、フリーアドレスなどを採用して座席の稼働率を高め、その分を共用のミーティング
スペースや、コミュニケーションを取るためのリフレッシュコーナーなどに配分するなどが挙げられます。

そして、もう一つの潮流が、成果を高めるために、社員の生み出すアウトプットの質を高める働き方にシフトしようというものです。

よく言われるロボットやAIに置き換えられる作業ではなく、創造的なアイデアを生み出すことで実現することが期待されており、
それらをサポートするツールとして文房具にいま関心が寄せられているのです。

3.生産性を高めるためにできること

創造的な働きをするために、オフィスをリニューアルして投資をする傾向もありますが、
オフィス環境を変えるような大きな投資ができないとしても、社員一人一人の工夫やアイデアを生み出しやすい風土にしていくことは可能です。

会話を無駄口と断じるのではなく奨励する、闇雲に統一するのではなく個性的な工夫を認め合うことで、
創造的な活動が拡がっていく可能性が出てくるのではないでしょうか。

コクヨが企画・編集した『コクヨのシンプル整理術(KADOKAWA)』では、文房具をコミュニケーションツールとして活用したメソッドも
多数紹介しています。
取材を通じ、社員の数だけ創意工夫があることを知りました。
    
今後は、戦略的なファシリティやインフラの整備によって、無駄をなくして効率化をしていきながら、もう一方では、
いきいきと働きやすくすることで、コミュニケーションの活発化を促し、小さい改善やアイデアが会話の中で生まれる職場を
創り出していくことが重要なテーマになっていくのではないでしょうか。

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