次の100年に向けた技術部門の新しい働き方を実現したオフィス

良い未来を創造する・新しい技術を試す場所:Envision Lab.

株式会社鶴見製作所様は、1924年の創業以来、100年にわたり水中ポンプを提供してきたリーディングカンパニーです。灌漑用ポンプから始まり、戦後の復興期には国内でいち早く水中ポンプ技術を確立。その技術力は世界から高い評価を得ています。中でも京都工場は、業界最高レベルの規模と設備を誇る主力生産拠点として、開発から生産までを請け負っています。
京都工場の新オフィス構築に携わられた人見様、中野様、クオン様、高橋様に、お話をお伺いしました。

株式会社鶴見製作所 京都工場

IM2030プロジェクト 改革推進グループ プロジェクトグループリーダー 人見 裕介 様、技術部 製品開発課 システムチーム サブリーダー 中野 剛 様、生産技術部 モータ技術二課 シニアスタッフ チャン チュアン クオン 様、京都工場 設計グループ 設計三課 シニアスタッフ 高橋 侑希 様

所在地 京都府八幡市上奈良長池1-1
URL https://www.tsurumipump.co.jp/
業種 その他
人数 約130名
面積 約333坪
提供内容 ワークスペース

お客様の課題

  • 書類や物で溢れかえるオフィス環境
  • 部門が建物やフロアごとに分散し、社員間の交流が希薄
  • 固定席で柔軟な働き方ができない

コクヨのご提案

  • 書類整理のプロによる段階的削減支援
  • 約130名規模のフリーアドレス導入支援
  • 改善ボードなど継続的改善の仕組みづくり

まず、今回のオフィス新設のきっかけについて教えていただけますか

(中野様)
2024年1月に創業100周年を迎え、京都工場の敷地内にモーター生産棟を新築することになりました。お客様への納期短縮を実現するため、モーターを内製化する目的です。それを機に、次の100年に向かっていけるような体制づくり・環境づくりを目指して、建物内に新しいオフィスを構えることになりました。

以前のオフィスでの貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください

書類で溢れかえるオフィス

(高橋様)
一番の課題は書類削減です。設計の図面などは紙での提出・紙での保管が原則だったので、オフィス中が書類だらけだったんです。当時は固定席運用だったのですが、書類が積み上がっているデスクで仕事をしている状態で、探したい資料もどこにあるかわからない状況でした。

(中野様)
電子化もごく一部しか進んでいませんでした。コクヨさんに書類の量を見ていただいたところ、京都タワー7.7基分、おおよそ1,000fm(ファイルメーター)※くらいあると伺って驚きました(笑)。

※ファイルメーター(fm)とは、書類を積み上げた高さをメートル単位で測ったもの。「A4サイズの用紙を1メートル積み上げた高さ」を「1ファイルメーター(fm)」といい、一般的なコピー用紙の約10,000枚に相当します。

(高橋様)
書類の3年保管・5年保管というルールはあったのですが、なんとなく残していた部分もありました。スキャンデータがあるのに本当に紙を残さないといけないのかも曖昧で、昔の名残でずっと残しているような状態でしたね。特に私が所属しているグループは特注設計を請け負っているので、依頼書の量も桁違いなんです。書類保管用の棟もあったのですが、そこもあふれかえっていて、現場に置かせてもらったりしていました。他の部門からは「本当にこれいるの?」と言われたりもして……。

(人見様)
書類だけでなく通路の片隅に物が置いてあり、デスクの下には部品の入った段ボールもある状態でした。ちょっとした立ち話でも通路が塞がってしまいますし、簡単な打ち合わせをする場所もない。会議室もすぐに埋まってしまったり別の棟にあったりで、打ち合わせ一つするにもすごく苦労する状態でした。また、固定席だったので基本自席から動けず、気分転換ひとつもしづらい、やりたいことに対して実現できる環境がないという声は社員から上がっていました。オフィススペースの有効活用という意味でも、オフィス内のモノの削減が一番の難題でしたね。

部門間のコミュニケーション不足

(人見様)
新オフィス構築にあたり、上層部からは技術部門をワンフロアに集約し、フリーアドレス・オープンオフィス化というミッションを受けました。それまでは技術部門が敷地内の3つの建物・5つのフロアに分かれている状態でした。実は、ここにいるプロジェクトメンバーもそれぞれ違う部門でフロアもバラバラだったため、それまで顔を合わせたことはほとんどありませんでした。

(クオン様)
私の所属する生産技術部も他のメンバーとは建物から別でした。1年間ほど同じフロアになったこともありますが、固定席のため仕事以外のやり取りはほぼ無く、お互いのこともあまり知らない状態でした。

(高橋様)
私は設計部ですが、生産技術部とはまた別の棟に入っていたので同じ敷地内でも顔を合わせることは全然なかったです。

(中野様)
業務も全く違いましたからね。部門ごとに働く場所がバラバラだったので他部門の働いている姿が見えづらく、親睦やコミュニケーションが十分に図られていない部分はあったと思います。

新しいオフィスのコンセプトを教えてください

(高橋様)
新オフィスでは、工場見学に来られた方がオフィス内を覗ける見学窓の設置が決まっていました。そこで「何を見せるか」を検討した結果、私たちはポンプの会社として、「水」をコンセプトの中心に据えることにしました。タイルカーペットは青系のグラデーションで水紋を表現しています。会議室の名前も社員で案を出し合い、「潮騒-Siosai-」「漣-Sazanami-」など、水にかかわる名称に決定しました。また、会社のロゴマークの中心にある赤色をオフィスの中央に位置する座席のイスにも採用し、視覚的なワンポイントとしています。

(中野様)
はじめは馴染みにくい部分もありましたが、だんだんと浸透していきました。最近では「潮騒で打合せね」など、自然に会議室名を使うようになっています。「第1会議室」といった無機質な名称より、愛着も湧きますね。ビジュアルや目的、運用すべてを含め、このオフィスが次の100周年に向けてよりよい未来を創造する場所になることを考えました。

課題解決に向けて、オフィス構築時にこだわったポイントや実現した手段について教えてください

分科会の設置

(人見様)
新オフィスを構築するにあたり、上層部からは具体的に「ああしろ、こうしろ」という指示ではなく、私たち社員自身が自発的に考えて進めるよう任されていました。
まず、これまでの課題や今後どういった働き方をしたいかという骨子をつくるため、オフィス改革の分科会を立ち上げました。今までとは発想の異なるアイデアを取り入れることで新しい企業カルチャーを創っていきたいと考え、各部門から若手メンバーを中心に協力してもらうことにしました。業種柄男性に偏りがちなので、女性社員の視点を取り入れることも意識しましたね。
コクヨさんにご協力いただき、まず社内アンケート『はたナビ』を実施しました。アンケート結果で潜在的な課題が見える化されたので、それらを解決するためのオフィス構築や運用についてご相談しました。基本的にはそういったアンケート結果や各部門から吸い上げた意見を分科会で精査するかたちでプロジェクトを進めていきました。

(高橋様)
本当に色々な意見が出てきました。「打合せできるスペースがない」「働きやすい環境が整っていない」「清潔感がない」など(笑)。京都工場内で一番古い建物は築30年以上経っていて老朽化も進んでいましたが、棚の天井に書類が積み重なっていたり、床の配線がぐちゃぐちゃだったりと、改めて洗い出していくと安全面でも問題があることに気づきました。今振り返ると怖いことですが、それが日常だったので普段は気に留めてなかったんですよね。

フリーアドレスの採用

(中野様)
フリーアドレス自体は他の支店で採用されていましたが、100名超が一気に導入するのは当社では初めての試みでした。正直、最初は成功するとは思っていなかったんです。でも1年半経った今、否定的な意見はほとんど出ていません。先日、新オフィスについて社員アンケートを取ったのですが、前向きな回答ばかりで安心しました。

(高橋様)
他社でフリーアドレスを導入したものの上手くいかず固定席に戻したという話も聞いていたので、不安はありました。いきなり完全フリーにして失敗するのを避けるため、最初は抽選機能を使って、ランダムに選ばれた席に座ってもらう形にしていたんです。導入から1年半経った今はどこでも自由に座っていいルールに変えましたが、大きな問題なく運用できています。みんなお気に入りのエリアや好みのチェアはあるようですが、毎日違う場所に座ってくれるので、特定の席が固定化することなく回っています。

(中野様)
席のレイアウトにも工夫しました。奥のエリアにはパーテーション付きの集中できる席を、窓際にはオープンなスペースでリフレッシュしながら作業できる席を配置しています。それぞれ目的を持たせることで、社員がその日の気分や業務内容に合わせて働く場所を選べるようにしました。これは想像以上に好評ですね。

(人見様)
コクヨさんの事例を参考にして、オフィス向けの位置情報サービスも導入しました。座席のQRコードを読み込むと、アプリ上で誰がどこにいるか一目でわかります。オフィス内の位置だけでなく、不在の社員が工場にいるのか、休暇中なのかもすぐに確認できるようになりました。
また、オフィス新設を機に、社内チャットツール上にオフィス在籍の約130名全員が入ったチャンネルを新たに作成しました。オフィスのアナウンスや来客情報など、オフィス委員会が日々情報を発信してくれています。

(クオン様)
以前のオフィスだった頃は、とにかく移動が大変でした。必要なデータを確認するために別の建物まで行かなければならず、往復で5分以上かかることもありました。書類もあちこちに分散していてどこにあるのか分からないので詳しい人を探すのですが、その人がいなければ戻ってまた来なければならなかったり。今は同じフロアで働いているので、わからないことがあればすぐに声をかけて確認できます。この変化は本当に大きいですね。

オフィス構築時に苦労した点や、それをどのように乗り越えられたかについて教えてください

段階的な書類削減

(人見様)
様々な課題を解決するには、とにかくオフィス内に溢れている荷物を整理して、スペースを有効活用する必要がありました。
まずオフィス内の物の全体量把握から、コクヨさんの書類整理のプロフェッショナルの方に入っていただきました。「この期日までにこれだけ整理しましょう」など、段階を踏んでスケジュールを決めていただき、それに合わせて作業を進めていきました。
社員には自分の机の引き出しがあり、その周りまで荷物であふれかえっている状態から、一人ひとつのパーソナルロッカーへと大きな変化を強いることになります。「こういう必要性があるから、その作業や準備をここまでに進めます」といった説明会の開催や、新オフィスのルールや運用など、都度丁寧に説明を行いました。コクヨさんにも定期的にご訪問いただき、進捗の確認を兼ねて実際にオフィス内を巡回していただくことで、方向性やスケジュールから外れることなく全部門一丸となって進められたと思います。1,000㎡あった書類を7割削減するという目標を掲げて取り組み、最終的には目標を上回る7割以上、しめて10t超の書類削減を達成できました。
現在、壁面のキャビネットとパーソナルロッカー程度の収納しかありませんが、新オフィスになって1年半経った今でも余裕がある状態です。働きやすくなったのはもちろん、より本格的な電子化に向けて社内システムの根幹も変えようとしているところで、それに先駆けて自分たちの書類整理の仕方や運用を変えられたのは良かったですね。

使いながら進化させるオフィス改善プロセス

(中野様)
働き方が柔軟になった反面、業務上で設計ミスが発生すると、上層部から「フリーアドレスにしたからではないか」と指摘を受けたこともありました。以前は固定席で、上司と部下が隣同士に座っていました。そうすると自然とチェック機能が働いていたのですが、それがフリーアドレスになってなくなってしまったのではないか、という疑問が上がるようになってしまったんです。
実態を把握するため、コクヨさんに協力していただいて社内のアンケート調査を実施しました。すると興味深い傾向が見えてきました。若手社員は「自由な場所を選べるのがいい」と答える一方で、管理職層においては「固まって座りたい」というニーズも無視できなかったんです。世代や立場によって、求めるものが違うということがはっきりしました。
今のところの結論としては、課やチーム単位で日にちを決め、メンバー同士が近くに座席を確保する「グループアドレスの日」を取り入れています。この方法でフリーアドレスの自由度は維持しながら、必要に応じてチームで固まれる柔軟性も確保できるようになりました。現場の要望に応え、都度改善していくことは大切です。しかし、ひとつ課題が出てきたからといって以前の固定席に戻すのではなく、より良いかたちに進化させていきたいと考えています。

(高橋様)
立ち上げ当初、集中エリアをみんな使うだろうと考えて20席くらい設置したんです。電話もTV会議も禁止という、完全な集中作業用のスペースとして設計しました。ところが、実際に使い始めると意外と不人気で……設計部門は営業との電話でのやり取りも多いので、着信のたびに席を立たなければならないことがネックになってしまったんです。
そこでソロワークエリアという位置づけに変更し、電話や会話もOKにしてみたら、その後は打って変わって人気のエリアになりました。やはり、実際に使ってみないと分からないこともあるんだなと実感しました。

(中野様)
そういう経験もあり、社員の隠れたニーズを拾い上げる仕組みは必要だということで、コクヨさんのライブオフィスで拝見した『改善ボード』も採用させてもらっています。実際にオフィスで働いている中で感じた要望や意見を社員に自由に張り付けてもらい、月1回くらいのペースで検討会を開いています。ただ、ルールを一気に変えてしまうと混乱するので、半分ずつくらい、順番に進めていくイメージで進めています。オフィスは完成したら終わりではなく、使いながら育てていくもの。継続していくことが重要だと感じているので、停滞させずに、改善がつながっていくようにしたいですね。

オフィス構築後、社員の皆様の働き方はどのように変わりましたか?また、感じておられる効果や予想外の反応などがありましたら教えてください

(高橋様)
新オフィスの運用ルールも新たに策定し、社員皆がマニュアルを閲覧できるようにしています。誰もが同じ認識で使えるようにすることが大切だと考えています。
たとえば工場とオフィスで靴を履き替えるルールを新たに設けたのですが、工場で働く社員が多くを占めているので当初は「めんどくさい」という声も上がりました。でも実際に新しいオフィスになってからは社員の間でも徹底されていて、「綺麗に使いたい」という気持ちを感じますね。自然と環境を大切にする意識が芽生えたように思います。
以前のオフィスの写真を見返すと「こんなところで働いてたんだ」って自分でもびっくりします(笑)。人も環境もそれだけ大きく変わったということですね。

(中野様)
リニューアル後のアンケートの結果を見ても、フリーアドレス自体への拒否感はほとんどありませんでした。正直、計画当初はもっと抵抗が出てくるのではと思っていたので意外でしたね。私個人としても固定席がなくなることに不安がなかったとは言えませんが、その反面、前のオフィスでは多少の閉塞感を感じながら働いていたのも事実です。新オフィスに変わり、自席がなくなる以上に快適に過ごしやすくなりました。その日の気分や業務内容に応じて自由に渡り歩けるようになって、業務面でもメンタル面でもすごく楽になったと感じています。
企業としても、製造業でもこんな働き方があるんだということを特に新卒の方々をはじめ社会に向けて発信し、広く皆様に知っていただけたらと期待しています。私たちの新しいオフィスを見て、製造業に対するイメージが少しでも変わっていただけると嬉しいです。

(クオン様)
私は会社に入ったばかりの頃に同じ部署の先輩にたくさんのことを教えてもらって、そのことに本当に助けられました。だからこそ、固定席ではなくなり必ずしも近くに部署の人がいるとは限らなくなったことで、後輩たちがどう感じるか少し心配でもあったんです。
でも実際に働いてみると、後輩たちは積極的に話しかけに来てくれますし、むしろコミュニケーションが増えていると感じています。固定席だった頃よりも、かえっていろいろな人に声をかけやすくなったのかもしれません。

(人見様)
当社には他にも様々な国籍の社員が在籍しています。日本語が堪能な人もいれば、学んでいる最中の人もいます。以前は部署が違うと顔も知らないということが多かったのですが、フリーアドレスになり、そういった多様な背景を持つ人が隣に座っていて、自然に雑談できる環境や雰囲気になりました。この変化は本当にプラスだと感じています。

(クオン様)
仕事外のことでもコミュニケーションを取りやすくなりましたし、実際に自分でも会話が増えていると感じます。部署を超えた交流が生まれているのは、このオフィスの大きな成果だと思います。アンケートでもこの働き方を継続したいという声がほとんどでした。社員の満足度が高いことが分かって、プロジェクトに携わった者として本当に嬉しいですね。

コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください

(中野様)
何社かお声掛けさせてもらった中で、コクヨさんは家具の提案だけでなく、実際にどういうふうに働いているかを見せてもらえたことが印象的でした。うまくいっている点だけでなく、課題点も正直に教えていただけました。
先ほどお話したように、書類削減やコスト面の相談にも親身に乗っていただきました。困りごとを相談すると、営業担当の方だけでなく、設計の方をはじめ各専門分野の方が迅速にレスポンスをしてくれる。豊富な実績と、それぞれの専門性の高さ、そして課題に対して総合的にサポートしていただける体制。この強みを実感したのが決め手になりました。

(人見様)
正直、当初は「コクヨさんはコストも高いのではないか」という先入観がありました。でも実際に梅田・品川・霞が関と3箇所のライブオフィスを見学し、その考えは変わりました。単にお金をかけるだけでなく、様々な工夫をされているんですね。頭を使って働く空間を構築されている。全く違う業種のオフィスですが「うちの会社でも取り入れてみたい」と思えるお手本がたくさん転がっていて、限られた予算の中でも、アイデアと工夫次第で理想のオフィスに近づけることを実感しました。なかでも「進化するオフィス」という考え方には感銘を受けました。完成したら終わりではなく、使いながら改善していくという姿勢が、私たちが目指す方向性と合致していました。

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