スタッフ部門から新しい働き方に挑戦！製造現場のパイロットオフィス

三菱電機株式会社福山製作所様は、広島県福山市に位置する工場で、配線用遮断器や省エネ支援機器、電力量計などを製造されており、2023年2月で創業80周年を迎えられました。
2022年３月より従業員のエンゲージメント向上を目的に、職場環境改善として大規模リニューアルを順次実施されており、このたび総務と各部門の若手メンバーで組成したプロジェクトメンバーを中心に、新しい働き方に対応できるオフィスを構築されました。スタッフ部門、営業部門、現場部門のリニューアルについて、小田様、藤本様にお話を伺いました。

三菱電機株式会社 福山製作所

総務部 総務課 小田 真奈美 様 ／遮断器工作部 工作課 工程係 係長 藤本 英邦　様

所在地	広島県福山市緑町1番8号　総合管理棟・A1棟遮断器工作部
URL	https://www.mitsubishielectric.co.jp/
業種	製造業

オフィスリニューアルのきっかけを教えてください

（小田様）　
従業員のエンゲージメント向上を目的に、2022年3月から順次職場環境改善を進めています。今回、総合管理棟と呼ばれるエリアの総務や経理、営業が所属しているフロアのリニューアル、現業部門が働いているエリアの休憩室・事務所のリニューアルを行いました。
また、ここ福山という地区は、関東や関西から来られた方からすると地方に位置し不安もあるかもしれませんが、ここで働く方々が福山製作所で働きたい、ここはすごく良い場所だと思ってもらいたいという思いもありました。

オフィス構築前、貴社の働き方や働く環境における課題を教えてください

総合管理棟が築30年になるのですが、建物を建ててから事務所のリニューアルをなかなか実施できておらず、どうしてもオフィスが古いという印象が根強かったため、明るい職場づくりを意識しました。また、新しい働き方としてWEB会議などが進む中、工場の敷地が限られていることからWEB会議用のスペースがないといった、新しい働き方に対応したスペースの確保というのが課題としてありました。

オフィス構築時に、課題解決に向けてこだわったポイントやその理由、またそれを実現した手段について教えてください

若手社員が中心となり新オフィスを構築

新しい職場に関しては、総務がすべてレイアウトや什器を決めるというのではなく、自分たちが働くオフィスを自分たちで作り上げるということを意識してもらいたかったので、各部門の若手社員を中心にリーダーを選出いただいて、レイアウトや什器を選定いただきました。
その際、管理職の方がいろいろ口を出してしまうと、なかなか意見が言いづらい部分もあると思いますので、基本、事前に総務から管理職の方には若手社員の意思を尊重してほしいということでお願いをして、若手社員を中心に各エリアのリニューアルを進めてまいりました。

什器選定は機能性と自由度の両立

組織変更なども定期的にありますので、組織変更があったときに、各部門のレイアウトを変更した際、什器がちぐはぐにならないように、什器のトーンを統一する、シリーズを統一するところは、総務からの意見として各部門へお願いしました。
また、什器のシリーズに関しては総務から統一をお願いしているものの、各部門に色を選んでいただくなど自由度を高めることで、現場で汚れやすい仕事をされている職場に関しては汚れが目立たない色を採用する、それ以外の職場では、ピンクやイエローといったカラフルな色を採用するといったように、職場ごとでカラフルな明るい職場になったかなと思います。

パイロットオフィスとしてスタッフ部門を先行

多くの会社様ではオフィスリニューアルをされる際、基本的にスタッフ部門は最後になってしまう場合が多いと思いますし、弊社でも最初はそのように考えていました。ただ、従業員の皆さんがこのあと自分たちの職場を考えるときに、あのデスクいいね、ここもうちょっとこうしたいなということで、自分たちの職場をイメージしやすくなるように、最初に総務・経理フロアを実験台のような形でリニューアルをすることにしました。

オフィス構築時に、苦労した点は何ですか？またそれをどのように乗り越えられたのか教えてください

働き方に合わせた様々なデスク

最初に総務・経理フロアのリニューアルを実施しましたが、いろいろな部門に見ていただくモデルルーム的な立ち位置にしたかったので、昇降式デスクなど様々な大きさや機能のデスクを導入しました。これまで統一されたデスクでしたので、今までにない環境になることへの不安や抵抗を覚える方も一部いらっしゃいましたが、何度も協議を重ねて協力をいただき、リニューアルを実現することができました。

フリーアドレスの導入

フリーアドレスを採用するにあたり、今までは保守的な企業文化が根強くありましたので、フリーアドレスにして何かあってはいけないとか、仕事の効率が落ちるのではないか、といった意見も出ていました。ただ今回、会社の文化を変えていく、トライアンドエラーの方針のもと、何かやってチャレンジしてみて、何か違う部分があればやり直せばいい、また変えていけばいいという考えで、スタッフ部門を中心にフリーアドレスを採用しました。今は管理職含めて皆さんフリーアドレスで仕事を進めています。

ペーパーレス・固定電話レス

フリーアドレスを採用するにあたって、エリアの確保というのがとても課題になっていました。工場なので保管書類がとても多くキャビネットだけでかなりの幅をとってしまっていたので、ペーパーレス化を推進するためにPDF化専門の部隊を立ち上げて、そこに保管書類の電子化を依頼し、各部門の紙資料・保管資料を削減することで、いろいろな什器を入れられるスペースを確保しました。
そのほか、固定電話が残ってしまうと、固定電話の対応をする方だけが固定席になってしまって、ほかの方は自由に席を選べるのにその方だけが席を選べないという問題が残ってしまうので、思い切って固定電話をやめて携帯電話への移行を行うという取り組みも行いました。

座席はアナログ式のオフィスMAP

座席管理アプリというのも今出ていると思いますが、現場で働いている方はパソコンを持っていないのでアプリを入れたとしても座席を確認してくることができません。そこで、大きなMAPを作っていただいて、そこに名前の書いたマグネットを貼っていくことでパソコンを持っていない方でもその場に行くと誰がどこに座っているのかがぱっと見てわかるような仕掛けにしています。

オフィス構築後、従業員の皆様の働き方はどのように変わりましたか？感じておられる効果や予想外の反応（良・悪含め）などありましたら教えてください

従業員のマインドチェンジ

これまでは、何かチャレンジするにしてもあきらめてしまう部分があったかなと思うのですが、ここまで大きなリニューアルをすることで、変わっていいんだという思いが伝わったのではないかと思っています。実際にこれまでできない理由を探していた従業員が、どうやったらできるかなということでマインドチェンジできたのではないかと、日々仕事をする中で感じています。
今までは、言ってもなかなか変えてくれないという文化がありましたが、今では総務に言えばいろいろなことを変えてくれるということで、従業員の皆様にも期待を持っていただける存在になったかなと思っています。

フリーアドレス採用で多様な働き方へ変化

在宅勤務が悪いことではないのですが、今までは固定席で在宅勤務をするといつもいないという印象を与えてしまう部分があったような気がしていました。それがフリーアドレスになることで、今世の中で言われているABWではないですが、仕事に応じて働く場所を選ぶということが実際にできるようになってきたと思います。オフィス内も含め、仕事の内容に応じて選ぶという選択肢が増えたことで、在宅勤務が選びやすくなったのではと思います。

スタッフ部門と並行して実施された、生産部門のリニューアルについて教えてください

（藤本様）　

生産現場のオフィスリニューアル

現場の事務所はチームプレーが重要で、普段はコミュニケーションをとりながらの仕事が多いのですが、たまに集中して仕事をしなければならないときは個人ブースを利用するなど、そのときの業務スタイルに合わせた形で仕事ができるような空間になりました。オフィス内に、コーヒーを飲みながらちょっとした雑談ができるようなソファエリアも設置しています。今現在は固定席にしているのですが、将来働き方が変わったときフリーアドレスに変更できるように、引き出しは移動式のワゴンにするなど、将来を考えて什器等選定をしました。

リニューアル後　従業員の変化

リニューアル後、机が一回り小さくなったことで従業員同士の距離が近づき会話も増えていますし、少し背の高い棚があるのですが、立って気軽に話ができる環境が整ったかなと思っています。
休憩室もリニューアルしまして、特に現場で働いている作業員の方が使うのですが、短い休憩時間でもきれいなカフェスタイルになっていまして、そういったところでリラックスして休憩できるということで、すごく喜んでもらっています。

コクヨマーケティングをオフィス構築のパートナーとして選ばれた理由を教えてください

（小田様）
ここまで大きな職場環境改善リニューアルは実施したことがないので、まず何から始めたらいいのかというのが正直なところでした。今までコクヨさんとはお付き合いはあまりなかったのですが、今回丁寧にリニューアルのレイアウトの考え方、什器の選定の仕方、総務では気づかなかったこと、例えばコンセントの位置など、細かな部分までご提案いただいたので、安心してお任せすることができました。
また、総務・経理フロアだけでなく、ほかのエリアも依頼させていただいているのですが、以前にリニューアルを実施した場所の反省や従業員の声を踏まえて、少しずつ改善を図っていくことを一緒にやっていただき、大変心強いです。