コラム

ABWとは?働き方やメリット・デメリット、導入事例について解説

ABWとは、社員が自律的に業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択するという働き方です。


従来の「オフィスに出社し、決められた席で働く」というスタイルに変わり、ABWのように自由度の高い働き方を採用する企業が増えています。


この記事では、ABW型のオフィスや働き方を検討されている方に向けて、ABWの基本やメリット・デメリット、導入事例を紹介します。

働きやすい職場の実現に向け、ぜひ参考にしてください。


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1.ABWとは

ABWとは、業務内容や気分に合わせて自由に働く場所や時間を選択する働き方です。
ABWの概要や発祥の経緯などを紹介します。


・仕事をする場所を自由に選べる働き方
ABWとは(Activity Based Working)の頭文字から生まれた用語で、先述のとおり、仕事内容や気分に合わせて、働く場所や時間を自由に選ぶ働き方です。ABWは、元々オランダから始まったワークスタイルだと言われています。


ABWではオフィスはもちろんのこと、自宅やカフェ、サテライトオフィスなどが仕事場となります。事務作業に集中したいときはオフィスのデスクで、新しい企画を考えるときはカフェでなど、仕事の内容ごとに場所を移動することもできます。

2.フリーアドレスとの違い

ABWと似た言葉に「フリーアドレス」があります。

フリーアドレスとは、オフィスの中で固定席を持たずに、ノートパソコンなどを活用して自分の好きな席で働くワークスタイルのことで、図書館の閲覧テーブルのように、個人席を決めずに空いている席を使う形式です。

出勤した社員はパソコンや資料をもち、オフィス内の好きな場所で働けますが、
あくまでも執務スペース内の座席運用の一つであり、働く場所はオフィス内に限られます。


一方ABWは、オフィス以外に自宅やカフェなども働く場所の選択肢に入るため、業務内容や気分にあわせ、より柔軟に環境を変えることができます。

【関連コンテンツ】フリーアドレスとは?メリット・デメリット、成功のために実践すべき3つのポイントを解説!

3.ABWを導入するメリット


働き方の自由度が高まると、企業と社員の両方にメリットがあります。ABWを導入するメリットをご紹介します。


・作業効率、生産性が高まる
一人ひとり集中しやすい環境は異なります。
作業をするためのオフィスであったとしても、人によっては静かすぎて集中できないという場合もあります。

その点ABWは、個室・執務スペース・カフェスペースなどを使い、作業内容やその日の気分により自由な場所で働けますので、個々の好みに合わせて最適な執務環境を選ぶことができるというメリットがあります。集中ブースを設置したABW型の働き方を推進オフィス


・コスト削減につながる
一人一台ずつデスクを用意するという働き方の場合、社員全員分の座席を確保しなければなりません。ABWの導入と併せて、自席のフリーアドレス化も進める場合は、ファシリティコストの削減も期待できます。


・ワークライフバランスが実現する
オフィスではなく、自宅で仕事を行う在宅勤務にすることで、通勤時間が削減できますので、介護や育児の時間を確保することができます。
また、より自由な時間が増え、スキルアップや趣味など、プライベートを楽しむ余裕もでてくるでしょう。


・優秀な人材の獲得につながる
ABWを導入すると、働きやすい企業のイメージが広まり採用力が高まるという効果も期待できます。

企画や営業など多種多用な仕事を抱える人にとっては、自由に働く場所を選べる環境は魅力的にうつります。また働きやすい環境は、社員の帰属意識も高め、人材の流出抑制効果も期待できます。
ABWにより、優秀な人材が集まりやすく、定着しやすい職場をつくりましょう。


・アイデアが生まれやすい環境づくりができる
カフェや屋外などで働くことで、気分転換につながり、今までなかったアイデアが生まれやすくなります。

また、オフィスの中も、従来の「執務デスク+会議室」という環境ではなく、業務や気分に応じて選べる多様な場を用意することで、ワーカーは自律的に業務や気分に適した場を自ら選ぶことができます。


いつも同じ席で同じメンバーと顔をあわせていると、いつのまにか思考が凝り固まっている可能性もあります。
オフィス内を回遊し、部署の垣根を越えたコミュニケーションを取ることで、新しい発想を促す効果が期待できます。
テラス席を設置したABW型のオフィス


4.ABWを導入するデメリット・課題

無計画にABWを導入しても、期待した効果は得られません。
ABW導入の前におさえておきたいデメリットや課題をご紹介します。

デメリットや課題に対しては事前に対策を検討しておくことで、導入による効果を最大化することができます。


・結局普段通りに働いてしまう
ABWを導入しても、結局いつも同じ席で仕事をしている、同じ部署のメンバーで固まって座っているというケースは、多々あります。
ABWを導入するうえで大切なのは、まず「何のためにABWを導入するのかという目標を明確にする」ことです。


目標を設定した上で、その目標を社員と共有し、十分に理解を深めてからスタートしましょう。
拙速にABWを導入してしまうと、十分な効果が得られず、ABWが形骸化してしまう恐れもあります。


・労務管理が難しい
オフィスの外で働く社員については、具体的な労働時間や仕事内容がわかりにくいケースがあります。
勤怠管理や人事評価などの労務管理が難しくなり、社員から不満が出たり、不正が起きたりするかもしれません。


ABWを始める前に、勤怠管理や人事評価などのルールを整備しましょう。

また、ABWというのは、前提として、「自律的に働く」、「主体性を持って働く」ということが求められるワークスタイルであるということも忘れてはなりません。


・社内整備にコストと時間がかかる
ABWを導入すると長期的にはコスト削減が期待できますが、制度の見直しやツールの導入など、初期投資が必要となってきます。

特にチームメンバーとの物理的な距離が広がると、チームとしての一体感が低下し、仕事への悪影響が出る恐れがあるほか、上司による部下の管理も難しくなりますので、社内整備の際は、コミュニケーションに関するツールやルールづくりも重視しましょう。

5.ABWを導入する際の手順


ABW導入の手順をご紹介します。

前述のとおり、ABW型の働き方は、オフィス内だけでなく、自宅やカフェ、サテライトオフィスなどオフィスの外も働く場所となります。

ABWを導入する際は、オフィス内の整備だけでなく、オフィス外でも快適に働くことができるようネットワーク環境の整備やサテライトオフィスとの契約等も併せて行いましょう。


・ABW導入の目的を定める
ABWというのは、「手段」であり「目的」ではありません。

ABWを導入する前に、まずは「何のためにABWを導入するのか」、ABW導入の目的を定めることが重要です。「社内コミュニケーションを促進するためにABWを導入する」「自律的な働き方を促進するためにABWを導入する」など、目的はその会社によって様々です。

現状のオフィスや働き方における課題を明確にし、課題を解決する手段としてABWを導入することが有効であれば検討を進めましょう。始めからABWありきで検討を進めてしまうと、導入後の効果測定も難しくなりますし、また社員もABW型の働き方を実践する動機がないため、結果として、ABWは形だけのものになってしまう危険性もあります。


・オフィスや働き方の状況を調査する
ABW導入の目的を定めると共に、オフィスや働き方の状況調査をします。
社員の意見を聞きながら、現在のオフィスの使いやすさや働き方について、課題やニーズを含め調査しましょう。


ABWの成功に向け、社員の意見を積極的に取り入れ、全社員で働きやすい環境をつくることが大切です。


社員の意見を取り入れるには、インターネットを利用したアンケートシステム「オフィスサーベイ」がおすすめです。
コクヨでは、社員一人ひとりに対し、今の働き方やオフィスにおける「満足度」や「重要度」を調査し、その結果から、課題の優先順位づけまでを無料で行う働く環境診断「はたナビPro」というサービスをご用意しています。

診断ツールを活用して社員の意見を集約し、定量的なデータを元に分析をすることで、現在のオフィスや働き方における課題を明確にすることができます。


【関連コンテンツ】ABW導入前に課題を見える化! (無料)コクヨの働く環境診断「はたナビPro」


・レイアウトを検討する
オフィス内をABW型の働き方に対応するために整備する場合は、ABW用スペースのレイアウトを検討します。1人用ブースやカフェスペース、ソファなど、仕事の内容や気分によって様々な場所を選べるように設計しましょう。


ABW型の働き方をしたことがないメンバーのみでは、効果的なレイアウトを組むことは難しい可能性もあります。また、オフィスレイアウトは、単に家具の配置を考えるだけでなく、電源や動線の確保、セキュリティなど考慮しなければならない点が数多くあります。
理想的なレイアウトを叶えるには、専門家へ相談することをおすすめします。


ABW型オフィスのゾーニング計画


・制度を見直す
ABWでは働く場所を自由に決められますが、主体性が薄ければ制度の活用は困難です。
自律的に働いた成果を評価する制度を用意し、社員の主体性を高めましょう。また上司側は、部下の様子が見えにくくなる分、マネジメントの手段を考えねばなりません。
ほかにも来客や電話対応など、座席の固定化が廃止されることで生じる課題があります。社内ルールの整備と併せてITツールの導入等、事前に対策を検討しておきましょう。


・ツール、ネットワーク環境の整備、セキュリティ対策
まず、現在デスクトップパソコンで業務を行っている場合には、自席以外の場所でも仕事ができるようにノートパソコンやスマートフォンなど持ち運び可能な端末に変更を行う必要があります。


そして、カフェや自宅など、オフィス外からパソコン等で社内ネットワークにアクセスする場合は、「システム方式」を検討のうえ、あらかじめ整備しておくことも重要です。システム方式には、リモートデスクトップ方式、仮想デスクトップ方式、クラウドアプリ方式等の様々な種類がありますので、比較検討した上で、自社にとって最適なシステムを導入しましょう。


また、パソコンを社外に持ち出すことで、紛失・盗難等のリスク、ネットワーク接続に伴うリスクが増えます。個人情報や経理情報などを扱う業務を社外で行う場合は不正対策も必要です。明文化したルールを作り、適切な環境構築、社員教育を行うことが大切です。


・サテライトオフィスの整備
自宅やカフェだけでなく、サテライトオフィスも働く場に含める場合には、運営会社との利用契約の締結や自社でサテライトオフィスを開設する場合には、開設に向けた準備を行いましょう。

「運営会社と契約する場合」と「自社で開設する場合」について、それぞれの特徴と考慮しなければならない点をご紹介します。


【シェアオフィス・コワーキングスペース型】
サテライトオフィス運営会社と契約し、フロア内を複数の企業が共同で利用する形態。オフィスエリア、ミーティングルーム、受付、アメニティなどを契約者同士で共有する。


特徴
・運営会社によって費用体系はまちまちだが、自社で一からサテライトオフィスを開設するコストや労力と比較し、手軽に導入することができる
・複数の企業と共同で利用するため、交流による新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もあるなど副次的な効果も期待できる
・託児所機能を有した施設や独自に情報交換会やイベント、講演会などを実施しているところもあり


考慮しなければならない点
・複数の企業と共同で利用するため、セキュリティの確保が難しい
・利用時間や設置機器などの運用に制約があることが多い


【参考サイト(外部リンク)】
サテライトオフィスサービス:https://zxy.work/
コワーキングスペース:Creative Lounge MOV



【自社設置型】
サテライトオフィスの設置、運営を自社で行い、自社や自社グループ専用の施設として利用。


特徴
・内装デザインや家具、設備や運用ルールを自社の事情に合わせて一から設計することができる
・オフィス内に空きスペースやサテライトオフィス化が可能な支社・支店などがある場合は、サテライトオフィスとしてリニューアルすることで有効活用することができる
・在宅勤務で希薄になっていたコミュニケーション不足を解消することができる
・本社オフィスと同等のセキュリティ機能を導入することで、セキュリティ面の不安を解消することができる


考慮しなければならない点
・自社内にサテライトオフィスとして転用できるスペースがない場合は、用地探しに時間や契約に費用がかかる
・内装工事や新規家具調達に費用がかかる
・運営、管理を自社で行わなくてはならない(もしくはアウトソーシングを検討)


【関連コラム】【事例】サテライトオフィスとは?種類や特徴、設置事例を解説


6.ABWの導入事例


ABW型の働き方を実践しているオフィス事例をご紹介します。オフィスづくりのポイントを確認しましょう。


・西部ガスリビング株式会社様7_西部ガスリビング様.jpg西部ガスリビング株式会社様は、全社員の意見を反映したオフィス移転プロジェクトを実施しました。
新オフィスには、あらゆる場所に打合せや商談スペースが設けられています。また、社員で共有するカタログやゴミ箱などは一カ所にまとめられ、スペースを効果的に使っています。
オフィス内に個人ブースを設置し、コミュニケーションを取りつつも集中して作業できる環境を整えました。


・高円宮記念JFA夢フィールド様5_高円宮記念様.jpgABWに適したラウンジチェア高円宮記念JFA夢フィールド様は、サッカー日本代表のトレーニング拠点として、ABWを意識したオフィスづくりを実施しました。フリーアドレスを導入し、座る人の体重ごとに、リクライニングの強度を自動調整する椅子を採用しています。
ラウンジエリアには、周囲の視線を遮るヘッドシェード付きのチェアーを配置し、その日の気分や業務内容に合わせて働く場所を自由に選べる環境にしています。


・住友重機械工業株式会社 田無製造所様
2_住友重機械工業様.jpg住友重機械工業株式会社 田無製造所様は、製造所内の空きスペースをサテライトオフィス化しました。
デスクワークやアイデア出し、ディスカッションなどの多様な仕事に対応できるように、複数の家具を用意しました。仕事のほかにも、休憩やランチタイムにも利用できます。


7.まとめ

ABWを導入することで、そこで働く社員は、仕事の内容やその日の気分に合わせて、働く場所や時間を自由に選ぶことができるようになります。


ABWの導入を進める際は、まず導入の目的を定めることが大切です。
また、効果的に導入するためには社員の意見を取り入れつつオフィスの機能やレイアウトを検討することも重要なことです。


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