バイオフィリアとは、自然が持っている力を活かし、ストレスの緩和や幸福度の向上が期待できる方法の1つです。この記事では、自社のオフィスにバイオフィリアを導入したいと考えている方に向けて、バイオフィリアがもたらす効果やメリット、導入方法や事例を解説します。このコラムでご紹介している事例やレイアウト例を参考に、バイオフィリアの考え方を取り入れたオフィスづくりに挑戦してみてください。
ストレスの軽減が期待できる「バイオフィリア」とは
バイオフィリアは、生命・生き物・自然の「バイオ」と、愛好・趣味の「フィリア」を合わせた造語です。「人間は自然とのつながりを本能的に求めている」という考え方であり、職場環境に自然を取り込むと、メンタル面でプラスに働くことやパフォーマンスの向上が期待できます。
バイオフィリアが注目を集める理由と背景
ストレスを抱えて働いている方が多い現代では、オフィス環境を整備する際、従業員の幸福度アップやストレス緩和などへの配慮も求められます。バイオフィリアを導入することで、従業員のストレス軽減や幸福度の向上につながり生産性を高めるといった効果も期待されていることから、近年、注目されています。
現代人が抱えるストレスの要因
現代人は、都市化やデジタル化、情報化社会など、生活環境の変化がストレスの要因です。1日の大半を過ごす会社の労働環境が悪い場合、さらにストレスが増加する傾向が高くなります。オフィス内で自然と触れ合う機会を作ることによって、従業員満足度の域を超える効果が見込めるため、バイオフィリアを取り入れる企業が増えています。
グリーンを取り入れたオフィスについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください
バイオフィリアがもたらす効果
バイオフィリアを取り入れた場合、どのような効果をもたらすのでしょう。2つの大きな効果を解説します。
生産性を向上させる
バイオフィリアを通し自然に触れることで、幸福度の向上とともに従業員のモチベーションも向上し、業務の質が高まります。欠勤や離職率が低下する効果も期待できるため、結果的に生産性の向上につながります。
創造性を向上させる
バイオフィリアをオフィスに取り入れて自然を身近に感じると、想像力や思考力が豊かになると言われています。柔軟な思考で、新しいビジネスアイデアを生み出しやすくなる可能性も高まることから、創造性の向上が期待できます。
オフィスにグリーンを効果的に取り入れている事例
実際にオフィスへバイオフィリアを取り入れている事例を紹介します。自社に導入する際の参考にしてください。
オフィスラウンジにグリーンを取り入れて癒しの空間を構築
名鉄都市開発株式会社様のオフィスでは、同時移転したグループ3社の共有ラウンジを中間階のフロアに配置しています。会社の枠を超えたコミュニケーションの拠点を構築し、イベントや打ち合わせなどに活用して交流を促進しています。 木目調の家具やグリーンを取り入れた空間で、オフィスとは異なるリラックスできる環境を演出しています。
ミーティングエリアの中央に、シンボルツリーを設置し社員の憩いの場の空間演出
日本エンジニアリング株式会社様のオフィスでは、ミーティングエリアの中央にシンボルツリーを設置し、社員の憩いの場となる空間演出をしています。ファミレス席や、大きなテーブル席を用意し、ミーティングシーンにあわせた使い分けが可能です。「コミュニケーション」「帰属意識」「生産性向上」の3点を兼ね備えたエリアになっています。
バルコニーにテーブルとイスを設置し外気を浴び気分をリフレッシュできるオフィス
コクヨマーケテング広島オフィスでは、オフィスに設けられたバルコニーにミーティングやソロワークに対応したテーブルとイスを設置しています。オフィス内とは異なり四季折々の草木の香りに触れながらリラックスした気持ちで仕事をすることができます。
企業がバイオフィリアを導入するメリット
バイオフィリアを導入することで得られる3つのメリットを解説します。
ストレスを軽減する
身近に緑がない職場とある職場を比較すると、緑がある場合の方が幸福度が高くなる傾向があるといわれます。緑が自然と目に入る環境では、ストレスを軽減させる効果が期待できます。
空気の清浄化・加湿効果がある
バイオフィアを導入する際に観葉植物を設置すると、空気の清浄化や加湿効果が期待できます。植物は、光合成により二酸化炭素を吸収して新鮮な酸素を排出します。そのため、空気を清浄化してくれます。
企業のイメージアップになりリクルート効果が向上する
自然を感じる居心地のよい職場は、求職者に対する企業ブランディングに効果をもたらし、欠勤率や離職率の軽減が期待できます。オフィス環境に配慮している企業はポジティブな印象につながり、企業全体のイメージアップにもなるでしょう。
オフィスにバイオフィリアを導入する際に考慮しなければならない点
バイオフィリアの考え方を取り入れたオフィス作る際に、考慮しなければならない点を2つ解説します。
導入コストがかかる
バイオフィリアを導入する際に、オフィス環境の大幅な変更が必要な場合は、導入コストがかかります。導入後も、植物の管理や維持など、メンテナンス費用が必要になることも理解しておきましょう。
植物を置くスペースが必要である
オフィス内に観葉植物を設置するには、ある程度のスペースが必要になります。設置を予定している場所と植物のバランスや、業務を行う上での導線に支障はないかを事前に確認しておくことが重要です。
バイオフィリアの導入方法とは
オフィスにバイオフィリアを導入する方法をいくつかご紹介します。
観葉植物で緑をプラスする
大幅なレイアウト変更などを実施せず、現在のオフィス環境を活かしながらバイオフィリアを導入する場合は、観葉植物の設置が簡単な方法です。背が高い大きめの植物を置いたり、グリーンパーテーションを間仕切りとして使ったり、設置工事が必要ない手軽な方法があります。デスクまわりに多肉植物や花を置くだけでも、目の疲労軽減や、集中力の向上につながります。
壁や天井に観葉植物を飾る
スペースの問題で観葉植物を置く余裕がない場合は、天井から観葉植物を吊り下げる方法がおすすめです。壁に飾る方法も効果的で、エントランスの壁全面を緑化してバイオフィリアを取り入れている企業もあります。植物の設置や管理が難しい場合は、壁紙をボタニカル柄や木目デザインに変更するのも効果的です。
自然素材や効果的なカラーを取り入れる
オフィスに自然素材で作られた家具を取り入れると、自然の調湿効果や手触りが人体に好影響を与えるといわれます。デスクやカウンターを木目調に変えるだけでも、自然を感じやすくなります。オフィス家具には、緑や茶色などのアースカラーを取り入れることで視覚的な印象が変わり、バイオフィリアの効果が期待できるでしょう。
香りや音で自然を演出する
職場環境の変更や植物の設置が難しい場合、香りや音で自然を演出するのも効果的です。音は、川のせせらぎや鳥のさえずりなど、できる限り自然な音を選びましょう。香りは、ヒノキや森の香りなど、自然を連想させる香りを選びます。香りや音が過度になると、不快に感じる従業員が出る可能性もあるため、注意が必要です。
オフィスにバイオフィリアを導入する際の注意点
オフィスにバイオフィリアを導入する際の注意点もあります。代表的な注意点を、2点解説します。
植物の配置場所に注意する
バイオフィリアの効果を高めるには、アイテムを配置する場所が重要です。通常業務だけでなく、災害時の導線を妨げないレイアウトをする必要があります。管理会社に、観葉植物を設置してよいか確認しておくと安心です。
メンテナンスを怠らないように注意する
観葉植物は、水やりや剪定など、健康状態に応じた定期的なメンテナンスが必要です。フェイクグリーンでも、葉にほこりが溜まったら拭き取る作業が必要になります。維持や管理が難しい場合は、専門業者に管理を頼むとよいでしょう。
バイオフィリアにおすすめのオフィス家具
バイオフィリアにおすすめのオフィス家具やフェイク植栽をご紹介します。
inGREEN
コクヨのinGREENは、森の中にテントを張って「みんなでくつろぐ、野原でテーブルを囲んで、わいわいおしゃべり。ちょっと木陰に入って、本音トーク」など、そんな楽しいひとときをオフィスの中につくってみようという想いから誕生した家具シリーズです。inGREENは、空間の広さや、醸成したい雰囲気に合わせて多彩で自由なレイアウトが可能です。
コクヨのinGREENに関する詳しい情報は以下のページをご覧ください。
Green-for work space‐
コクヨのGreen-for work space‐は、単体で設置することはもちろん、ソファーやシェルフ、テーブルと組み合わせが可能なフェイク植栽シリーズです。フェイク植栽でありながら、アレンジしている葉の種類や、大きさ、1つ1つのグリーンのクオリティーにもこだわり、よりリアルに近い見た目を追求しました。また、メンテナンスも手間がかからず、簡単にオフィスの雰囲気を変えることができます。
コクヨGreen-for work space‐に関する詳しい情報は以下のページをご覧ください。
Patio
コクヨのPatioは、「オフィスの中に自然を感じる空間を」をコンセプトとしたオフィスラウンジ用の家具シリーズです。
空間に彩りを与えながら、電源などの機能も併せ持った「コンセプトプランター」やグリーンが空間をシンボリックに彩る「センターテーブル」、木目調のルーバーと人工植物が空間を彩り、適度な遮蔽効果やゆるやかな動線を生みだす「ルーバーパネル」など、オフィスに居心地のよさをプラスする商品を取り揃えています。Patioのグリーンは、メンテナンスの手間がかからない人工植物で、空間に立体感を与える、表情豊かな寄せ植えが特徴です。
コクヨPatioに関する詳しい情報はこちらのページをご覧ください。
まとめ
バイオフィリアは、人間は自然とのつながりを本能的に求めているという考え方です。バイオフィリアを導入すると、幸福度や生産性、創造性の向上など、多くの効果やメリットがあります。バイオフィリアの考え方を取り入れたオフィスづくりにぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
コクヨマーケティングでは、年間2万5,000件以上の豊富な実績から、お客様の働き方に合わせたオフィス空間を提案しています。オフィス移転やレイアウトの変更はもちろんのこと、オフィス構築後の運用に至るまで、ワンストップでサポートします。
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