照明は、オフィスの環境や印象を左右する重要なファクターです。
今回は、オフィス移転やレイアウト変更を検討中の方に向けて、オフィス照明の重要性や照明を決める際のポイントをご紹介します。
オフィスにおける照明の重要性
オフィスにおける照明の重要性について、オフィス環境と印象の観点から解説します。
照明がオフィス環境そのものに影響する
オフィスで円滑に作業するには、書類やディスプレイ、お互いの顔などが明瞭に見える必要があります。ただし、照明に使う電力は、オフィス全体の消費電力量に占める割合が高いので、快適な明るさと省エネルギー効果の両方の観点から、最適な照明を選びましょう。
オフィスの印象を左右する
照明はオフィスの雰囲気を左右するため、シーンに応じて最適な照明を選びましょう。集中したい執務室、リラックスしたい休憩室など、部屋の目的が異なれば最適な照明も変わります。照明のデザインや光の特徴を考慮し、よりよい環境を整えましょう。

オフィス照明に適した明るさとは
オフィス照明において、作業内容に応じた適切な照度(ルクス:lx)を確保することは、労働者の健康と安全を守る上で重要です。
ルクス(lx)とは、照明の明るさを示す単位です 。光源によって照らされている面(机上面や床面など)に、どれだけの光が到達しているかを表します 。この数値が高いほど、その場所は明るい状態にあることを示しています 。
日本の労働衛生基準である「事務所衛生基準規則(事務所則)」では、作業面の照度基準が改正され、令和4年12月1日に施行されました 。この改正により、労働者が常時就業する室の作業面には、以下の最低照度基準が適用されています。
- 一般的な事務作業(読み書き、パソコン入力など):300lx以上
- 付随的な事務作業(資料の袋詰め等):150lx以上
また、上記の事務所則の最低基準を満たした上で、より快適な作業環境を整備するためには、個々の事務作業に適した照度を検討することが推奨されています 。
この検討の参考となるのが、日本産業規格(JIS)の基準です 。JIS Z 9110(照明基準総則)では、例えば、事務室や役員室の照度として750lxが、推奨照度の一つの目安として示されています 。
これらの基準の詳細については、日本産業標準調査会(JISC)のウェブサイトや、JIS規格を発行する日本規格協会(JSA)のWebdesk等を参照することが可能です。
出典: 厚生労働省「ご存知ですか? 職場における労働衛生基準が変わりました」(令和4年4月)
※JIS:「9110」で検索
オフィス照明器具の種類と設置例
照明器具を選ぶ際の参考に、オフィスにおすすめの照明器具・設置例をご紹介します。
スタンドライト

スタンドライトは、自由に配置を変えられる置き型の照明器具です。床に置いて使うフロアスタンド、テーブルのような家具の上で使うテーブルスタンドの2種類があります。
シャンデリア

ペンダントライト同様に天井から吊り下げて使い、複数の光源をもつ照明器具です。華やかでシックな印象を与えるため、エントランスや応接室などに向いています。
ウォールウォッシャー

ウォールウォッシャーは、天井付近に取り付けられた、壁を照らす照明器具です。明るく照らされた壁は空間を華やかに演出します。エントランスや展示スペース、休憩室などに向いています。
シーリングライト

天井に直接取り付けて使う照明器具で、オフィスではよく見られます。
広範囲を明るく照らすため、執務スペースに適しており、棒状タイプや電球タイプなどいろいろなデザインがあります。
ダウンライト

天井に取り付けますが、シーリングライトとは異なり天井に埋め込みます。照明器具を目立たせたくないときにおすすめです。
スポットライト

スポットライトは、光の方向を変えられる照明器具です。ポスターやロゴなどを強調する、光の方向にこだわり空間を鮮やかに演出するなどの目的で用いられます。
ペンダントライト

ペンダントライトは、コードやチェーンなどで天井から吊り下げる照明器具です。印象的な見た目であるため、会議室やエントランスなどのアクセントとして活躍します。
オフィス照明を選ぶ際の注意点
的確なオフィス照明を選ぶには、従業員からの評価やオフィスの内装なども考慮しましょう。オフィス照明を選ぶ際の注意点を解説します。
年齢によって明るさの感じ方は異なる
高齢になるほど、明るさを感じにくくなります。照明を無難な明るさに設定したつもりでも、年配の従業員からはもう少し明るい方がよいといわれるかもしれません。幅広い年齢層に対応できるよう、照度を計算しましょう。調光・調色可能な照明器具もおすすめです。
オフィスの内装を考慮して選ぶ
気に入ったデザインの照明器具を見つけたとしても、衝動買いをするのは危険です。デザインが奇抜すぎると、照明がオフィスに合わない、悪目立ちして従業員の集中を妨げるなどの可能性があります。オフィス全体の調和を考えて照明器具を選びましょう。
配線器具を確認する
照明器具により、使える配線器具の種類は異なります。無理に取り付けると、漏電や故障などが起きる可能性があり、危険です。配線器具が合わない場合は、電気配線工事を実施し適切な環境を整えましょう。
まとめ
オフィス照明は、オフィスの環境や印象を左右します。電球の種類や色合い、光の広がり方、色合いなどにこだわり、それぞれに適した照明を選びましょう。また、作業しやすい明るさへの調整、オフィス全体との調和なども重視することが大切です。
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