オフィスの執務スペースといえば、これまではデスクと事務椅子が並ぶ光景が一般的でした。しかし、ハイブリッドワークの定着や、時間と場所を自由に選ぶ働き方である「ABW(Activity Based Working)」の浸透により、オフィスの役割は「単に作業をする場」から「コミュニケーションや新しいアイデアを生む場」へと変化しています。
そうした中で、多くの企業で導入が検討されているのが「オフィスソファ」です。しかし、いざ導入しようとすると「ソファを置くとリラックスしすぎて仕事にならないのでは?」「結局使われなくなってしまうのではないか?」といった不安を感じる担当者の方も多いのが実情です。
本記事では、オフィスにソファを導入することで期待できるメリットや、現場でよく聞かれる失敗談、実用性を高めるための選び方のポイントなどを解説します。
オフィスにソファを導入する3つのメリット
目的や用途に合わせてソファを配置することは、単に休憩場所を増やすだけでなく、オフィス環境に新しい価値をもたらします。
社内コミュニケーションの活性化
会議室で行われるフォーマルな会議とは異なり、ソファが醸し出すリラックスした雰囲気は、社員同士の心理的なハードルを下げます。また、通路際などに気軽に座れる「余白」があることで、通りがかりの雑談から思いがけない発見があったり、新しいアイデアが生まれるきっかけになったりすることが期待できます。

ワークスタイルの多様化への対応
「今は集中して資料を作りたいからデスクで」「今は少しリラックスしながら企画を練りたいからソファで」というように、業務の内容に合わせて働く場所を選択できる環境は、社員の自律的な働き方をサポートします。ソファがあることで、オフィスの中に多様な居場所が生まれ、その日の気分や仕事の内容に応じた使い分けが可能になります。

ウェルビーイングの向上
長時間同じ姿勢で椅子に座り続けることは、体にも精神的にも一定の負担がかかります。適度に座る場所を変え、姿勢を切り替えることは、気分のリフレッシュにつながり、結果として生産性の維持に寄与すると考えられています。特に、視界に入る景色が変わることは脳への良い刺激になり、クリエイティブな発想を助ける一助となります。

「ソファ」選びの注意点
オフィスに導入するソファには、家庭用とは異なる選び方のポイントがあります。「おしゃれだから」「リラックスできそうだから」という理由だけで選んでしまうと、実際に運用を始めてから使いにくさに気づくケースがあります。
奥行きが深すぎる
家庭用のソファに多いケースですが、奥行きが深すぎるものはオフィスでの使用には注意が必要です。奥行きが深すぎると、背の低い方や女性が座った際、背もたれまで体が届きません。結果として膝が浮いたり前のめりになったりしてしまい、リラックスどころか姿勢を保つのが難しく、仕事には向きにくい環境になってしまいます。
「足元」への配慮不足と所作の乱れ
クッションが柔らかすぎるソファも、オフィスでは慎重に検討すべきです。柔らかすぎると体が深く沈み込み、立ち上がる際に大きな力が必要になります。特にスカートを着用されている方にとっては、深く沈み込むことで足元の自由が制限されたり、立ち上がる際の動作が大きくなったりと、周囲の目が気になるオフィス空間では、スマートな立ち居振る舞いが難しく感じられる原因になることがあります。
座面の「硬さ」が実用性を左右する
PCで作業をしたり、資料を広げて話をしたりすることを想定する場合、家庭用よりも「少し硬め」のクッション設定にすることが、姿勢を崩さずに作業を続けるためのポイントです。沈み込みすぎない座面は、腰への負担を軽減し、立ち上がりの動作もスムーズにしてくれます。
使い方に合わせて選ぶ「座面の高さ」
ソファを選ぶ際に大切なポイントの一つが「座面の高さ」です。使い方に合わせて、検討しましょう。
01 ローポジション(座面高:〜400mm程度)
リラックスした姿勢をとりやすい高さです。リフレッシュや、考え事をする、一対一で落ち着いて対話する、あるいは気の置けない同僚との雑談などに向いています。
オフィス向けであれば、この高さでもクッションが硬めに設定されているものを選ぶと、姿勢が崩れにくく実用的です。

▲ 左:コクヨ メッティ(SH380)/右:コクヨ コレッソ(SH398)
02 スタンダードポジション(座面高:400〜500mm程度)
一般的な事務椅子とほぼ同じ高さ設定です。デスクエリアと同様の感覚でワークしやすいのが大きな特長です。
「デスクよりも少しゆったりとした気分で業務を行いたい」というニーズに応えるのに適した高さです。PC作業の姿勢もとりやすく、仕事の場として機能しやすいポジションです。

▲ コクヨ オスファ(SH432|480)
空間の魅力を引き出す「ソファのレイアウトパターン4選」
オフィスにソファを配置する際、その「並べ方」や「組み合わせ方」によって空間の機能やワーカーの行動は大きく変わります。ここでは、オフィスでよく取り入れられる代表的な4つのレイアウトパターンをご紹介します。
L字型・複数組み合わせレイアウト(リラックス・グループワーク向け)

▲ ソファを複数組み合わせることで、気兼ねなくリラックスできる空間に
ソファを単独で配置するのではなく、L字型など複数のユニットを組み合わせて設置するパターンです。対面ではなく、L字や斜めに視線が交わるように座ることで、緊張感が和らぐ効果が期待できます。複数人で利用する際も気兼ねなくリラックスして使え、スムーズなコミュニケーションを促すのに適しています。
一列ソファ×チェアーレイアウト(柔軟なミーティング・多人数向け)

▲ テーブルを動かすことで人数調整が容易。ソロワークから大勢の会議まで対応
一列に並べたベンチタイプのソファに対し、対面側に可動式のチェアーやスツールを組み合わせるパターンです。テーブルやチェアーを柔軟に動かすことで、1人での集中作業から、大勢でのミーティングまで、利用人数や用途に合わせた調整が容易に行えます。
ファミレス型・対面仕切りレイアウト(半個室の集中・Web会議向け)

▲ 周囲の視線を遮る仕切りにより、開放感と適度なプライベート感を両立
ファミリーレストランの座席のように、対面式のソファを高めのバックパネルや仕切りで囲うパターンです。周囲の視線を適度に遮ることで、オープンなオフィススペース内であっても、心地よい「囲われ感(こもり感)」を創出できます。同時に、上部が抜けているため適度な「開放感」も両立。周囲を気にせずディスカッションに集中したいときや、Web会議、短時間のソロワークに最適なレイアウトです。
シンボリック・アイランドレイアウト(ラウンジ・コミュニケーション活性化向け)

▲ 観葉植物をあわせることで、自然と人が集まりやすくなる空間をつくります
ラウンジやオフィスのエントランス・レセプションエリアの中央に、ソファをシンボリックに配置するパターンです。ソファの中央や周囲に観葉植物などをあわせることで、視覚的なリラックス効果とともに、自然と人が集まりたくなる「求心的な雰囲気」を生み出すことができます。部門を越えた偶発的なコミュニケーションを促すスポットや、オフィスの顔となる空間づくりに役立ちます。
仕事の質を高める、コクヨのおすすめオフィスソファ
一人ひとりの働き方や、その時々の目的に合わせて選べるよう、コクヨでは多様なオフィス向けソファをご用意しています。
ワークシーンの変化に寄り添う OSFA(オスファ)

「使い方に合わせて選べる機能とデザイン」をコンセプトにした、可変型のソファです。
アクティビティに合わせた選択: ソロワークに適した姿勢がとれる「ワークソファ」と、ゆったりとした座り心地の「リラックスソファ」の2つのタイプから選べます。将来的に背もたれを変えたり、脚の長さを変えて座面の高さを調整したりすることで、オフィスの使い方の変化にも柔軟に対応できます。
長く使い続けられる設計: 全てのパーツが交換可能な「ロングライフ設計」を採用しています。カバーも汚れた際や、空間の印象を変えたい時に工具不要で取り替えることが可能です。
多様な過ごし方をかなえる METTI(メッティ)

リラックスからアクティブなワークまで、1台で多様なモードに対応するリクライニングソファです。
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姿勢を支えるチルト機構: 背もたれがチルト(傾斜)するため、身体を起こして作業する「アクティブワーク」と、ゆったりとアイデアを練る「リラックスワーク」の両方をサポートします。クッションは直感的な操作で無段階に調整でき、静かな操作音もオフィスでの使用に向いています。
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自由な姿勢をサポート: オットマンやモバイルクッションを組み合わせることで、自分に合った最適な姿勢を保つことができます。
リビングのような心地よさと実用性 COODE(コーデ)

「ミーティングのしやすさ」と「リビングのような親しみやすさ」を両立させたラウンジソファです。
安定した座り心地: 座面の後方が沈みやすい独自のクッション構造により、骨盤が適切にホールドされます。これにより、リラックスした雰囲気の中でも安定した姿勢を保つことができ、長時間の打ち合わせでも疲れにくいのが特長です。
環境への配慮: ノートの製造工程で出る端材を使った再生張り地など、環境に配慮した素材を使用しており、持続可能なオフィスづくりに貢献します。
カジュアルな移動と配置が魅力 Any Sofa(エニーソファ)

写真手前:Any Sofa
ボリューム感のあるデザインと、移動のしやすさを兼ね備えたユニットソファです。
シーンに合わせた自由なレイアウト: ハンドルと片側キャスターが付いているため、一人での集中作業から大勢での打ち合わせまで、その場のニーズに合わせて社員自らが簡単に動かし、組み合わせることができます。
ワーク姿勢の保持: ふっくらとした見た目ながら、ワークに適した座面の高さと奥行きを確保しており、居心地の良さと作業性を両立しています。
1人の集中環境を追求 dop(ドップ)
「心地よい姿勢を導く」ことを目的に設計された、ソロワーク専用のブースソファです。

電動で姿勢を最適化: 背もたれの角度を電動でスムーズに調整できます。集中してPC作業をする際の前傾姿勢から、休憩時のフルリクライニングまで、パフォーマンスを最大化する姿勢をサポートします。
充実したワーク機能: 上下昇降とチルトが可能なテーブルに加え、カバン収納やタブレットスタンドなどの周辺機能も充実しており、まさにソファ型のワークステーションといえます。
周囲と緩やかにつながりながら集中 interval(インターバル)

気分をリフレッシュさせつつ、快適なワークも実現するスクリーンパネル付きソファです。
適度な「囲われ感」: スクリーンパネルが視線を程よく遮り、オープンな場所でも居心地の良いプライベート空間を提供します。パネルの形状はバリエーションがあり、周囲とのつながりを感じつつ、自分の作業に没頭できる絶妙なバランスが保たれています。
便利な電源と天板: 2口コンセントを備えた大きなテーブルがあり、書類やデバイスを広げての作業がスムーズに行えます。
思考を深めるリラックス姿勢 Notion(ノーション)

「心身はリラックスしながらも、思考を止めない」ためのブラウジングチェアーです。
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包み込まれる安心感: 120°の背角度とヘッドシェードが、周囲を気にせず考えに没頭できる環境を作ります。肩甲骨から自然と体が起きるように設計された独自の形状が、快適なブラウジング姿勢を実現します。
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細やかな配慮: 足が広がりすぎないような座面形状になっており、オフィスでの立ち居振る舞いや所作を大切にしたい方にも安心してお使いいただけるデザインです。
オフィスにソファを設置した事例
実際にオフィスへソファを導入し、働き方の質を高めている事例をご紹介します。
部門を超えた対話を促す、創造的な拠点オフィス(株式会社鶴見製作所 京都工場 様)
技術部門の革新を目指して新設されたこちらのオフィスでは、異なる部門の社員が集まり、活発なコミュニケーションが生まれる仕掛けとしてソファが活用されています。

執務エリアとコラボレーションエリアをシームレスにつなぐ場所に、デスクとソファを組み合わせたオープンなミーティングスペースを設置しています。フォーマルすぎない空間がリラックスした雰囲気を作り出し、創造的な対話を促す場として機能しています。

窓際のエリアには、ソファ席やベンチシートを配置。カジュアルな打ち合わせはもちろん、業務の合間に自然光を感じながらリフレッシュできる、オフィス内の「サードプレイス」を実現しています。
部門の壁を越え、自然な会話が生まれる多目的スペース(丸和バイオケミカル株式会社 様)
オフィス移転を機に部門を集約し、コミュニケーションの活性化を図った事例です。オフィスの中心に多様な使い方ができるエリアを設けています。

オフィスの中心に位置する多目的スペースに、ソファエリアを配置。会議室にこもるのではなく、オープンな場所でソファを活用することで、ちょっとした相談からリラックスタイムまで、幅広い用途に対応できる環境を整えています。
目的意識をもって働く、柔軟なハイブリッドワークオフィス(トヨタテクニカルディベロップメント株式会社 様)
ハイブリッドワークを実践するこちらのオフィスでは、その時々の活動内容(アクティビティ)に応じて、社員自らが最適な場所を選べるよう、多様なソファスペースが設けられています。

ライブラリーやソファ席、可動テーブルを組み合わせた空間を構築しています。人や情報が自然と交じり合うことで、偶然の出会いや、そこから生まれる会話を促す環境を整えています。

ミーティングエリアには、多角形のソファを採用。メンバーが「車座」になって座ることで、お互いの顔が見えやすく、議論に集中できる一体感を演出しています。
コクヨのライブオフィスのソファ導入事例
コクヨでは、全国各地で社員が実際に働いている姿をご覧いただける「ライブオフィス」を展開しています。各ライブオフィスでソファがどのように活用されているか、その導入事例をご紹介します。
役員と社員をつなぐクイックな相談スペース

役員と社員のあいだで「クイックに相談できる環境」をつくるために、あえて役員席のすぐ前にソファによるミーティングスペースを設置しました。オープンな場所にソファを置くことで、メンバーがいつでも立ち寄りやすい雰囲気を生み出しています。
コクヨ霞が関ライブオフィスのご見学はこちら
大きな植栽をあわせたソファをシンボリックに配置

大きな植栽をあわせたソファをシンボリックに配置しました。天井には、まるで本物の青空が広がっているかのように見える「青空照明」を設置。グリーンとソファを組み合わせることで、外光が入らない場所でも「心地よい雰囲気」を作り出し、まるで公園の木陰で過ごしているかのような明るく開放的な雰囲気を演出しています。
コクヨ名古屋ライブオフィスのご見学はこちら
お互いの顔が見えやすく、議論が弾む「車座」のソファ配置

コクヨ広島ライブオフィスでは、車座で着席できるソファセットを設置しています。お互いの顔がよく見えることで話しやすい雰囲気が生まれ、リラックスしながらも活発なディスカッションを行うことができます。正面には大型のモニターを設置しており、図面や資料などのデータを全員で一度に共有しながら話し合うシーンに最適な環境を整えています。
コクヨ広島ライブオフィスのご見学はこちら
グリーンで緩やかに仕切り、リラックスして対話できるソファエリア

グリーンをあしらったローパーティションと、半円形に広がる湾曲ソファを導入し、自然体で対話ができるディスカッションエリアを実現しています。
コクヨ福岡ライブオフィスのご見学はこちら
まとめ
オフィスソファは、単に「おしゃれな休憩所を作るための家具」ではなく、オフィスの働きやすさを整え、仕事の効率や社員同士の交流をより良くするための助けとなるものです。
導入にあたっては、見た目の印象だけでなく、
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用途に合った「座面の高さ」か
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仕事がしやすい「クッションの硬さ」か
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社員の所作を妨げない「奥行き」か
- 目的にあった「レイアウト(配置)」が組めるか
- 電源の確保など「仕事で使用するのに適している機能」を備えているか
といった実務的な視点を大切にすることで、失敗のないオフィスづくりにつながります。
コクヨマーケティングでは、今回ご紹介した豊富な製品ラインナップのご提案はもちろん、働く環境診断「はたナビ プロ」などを通じて、貴社の課題に合わせた最適なレイアウトや運用方法をトータルでサポートしております。オフィスにソファを導入したいけれど、どのように選定を進めるべきか迷っているという方は、ぜひ一度ご相談ください。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します
