オフィス移転は、単なる荷物の移動にとどまらず、働き方の見直しや業務効率化の機会でもあります。
しかし、物件探しからレイアウト設計、各種インフラ工事、現オフィスの原状回復まで、移転に伴うタスクは多岐にわたります。初めて実務を担当される場合、どこから手をつければよいか、また通常業務とどのように並行すべきか、悩まれるケースも少なくありません。
この記事では、オフィス移転を専門業者へ依頼することをおすすめし、そのメリットや業者選びのポイントなどについて解説いたします。
オフィス移転を検討されているご担当者様は、ぜひご参考にしてください。
オフィス移転を専門の業者に依頼するメリットとは
オフィス移転プロジェクトは、最初の計画策定から最終的な移転完了にいたるまで、一般的に半年から1年程度という長期の準備期間を要する大規模な取り組みです。
この複雑で多岐にわたる工程をオフィス移転の専門業者に依頼することで、総務の実務において以下のような具体的なメリットを得られます。
① 複数タスクの一括管理による業務負荷の軽減
オフィス移転にともなう各種内装・インフラ工事の調整や、オフィス家具の手配・管理などを窓口一つで一元管理できます。複数の業者と個別に交渉・調整する手間が省けるため、社内のプロジェクト担当者様にかかる進行・管理の負荷を大幅に削減することが可能です。
② 課題解決につながる空間レイアウトの設計
新オフィスの空間設計において、日々の業務効率の向上や組織内のコミュニケーション活性化など、自社が解決したい課題に焦点をあてた動線設計やレイアウトの構築が可能です。専門的な知見やノウハウを設計段階から取り入れることで、機能性と快適性を兼ね備えた最適なオフィス環境を実現できます。
オフィスレイアウトについてはこちらのページで詳しくご紹介していますので併せてご覧ください。
③ ビル管理会社との調整代行(B工事・C工事など)
オフィス内装工事においては、ビルの所有者や管理会社が指定する「B工事」と、借主が手配する「C工事」が存在し、これらを明確に区分してスケジュール管理や費用調整を行う必要があります。
専門知識を有する移転業者に依頼することで、ビル管理会社との実務的な折衝や、技術的な仕様確認などをスムーズに進めることができます。関係各所との複雑な調整業務を専門業者へ集約・一任することにより、工程の遅延や認識のズレを防ぎ、安全な移転準備を可能にします。
ビルの工事区分についてはこちらのページで詳しくご紹介していますのて併せてご覧ください。
適切な業者を選ぶためには事前の準備が必要
自社のニーズに合致した最適なオフィス移転業者を選定するためには、事前の情報整理と準備が欠かせません。具体的にどのような準備を進めておくべきか、以下に要点をまとめました。
オフィス移転の目的、移転先の立地条件や環境整備する内容等を明確にしておく
最初に、今回のオフィス移転によって「どのような課題を解決したいのか」という目的を明確に定義することが重要です。
市場には数多くのオフィス移転業者が存在しますが、業者ごとに得意とする領域や対応可能な作業範囲は大きく異なります。自社の移転目的をあらかじめ明文化しておくことで、業者に対して求めるサポート内容が絞り込みやすくなります。
同時に、移転先に求める立地条件や、新オフィスで構築したいインフラ環境(ネットワーク設備など)についても、可能な範囲で要件を整理しておくことをおすすめします。
コクヨのオフィス移転サービスについてはこちらのページで詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
上記を明確にした上で、綿密な打ち合わせを業者と行う
自社の要件を整理した後は、検討しているオフィス移転業者との綿密な打ち合わせを行います。その際、業者が提供するサービス内容と、サポート対応が可能なカバー範囲を確認しましょう。
例えば、単に荷物を運搬するだけでなく、検討段階における物件探しのサポートやコンセプト策定、働く人の視点に立ったレイアウト計画・デザイン・施工、さらには移転後の運用提案やアフターフォローなど、自社が必要とするフェーズを網羅しているかを詳細にチェックすることが選定の基準となります。
オフィス移転の主な作業とは
オフィス移転を進行するにあたり、具体的にどのような業務が発生するのか、その全体像を把握しておくことは重要です。ここでは、移転にともなう主なプロセスを解説します。
移転方針・計画の策定
プロジェクトの第一歩として、明確な移転方針を策定します。現行オフィスの不満点や課題を丁寧に洗い出し、移転によってそれらをどう改善するかの目標を設定することで、プロジェクト全体のブレを防ぐことができます。
方針の策定にあたっては、経営陣の意向だけでなく、実際にオフィスを使用する社員の声を取り入れると、より実用性の高い計画に繋がります。
方針の決定後は、社内に専任の移転プロジェクトチームを立ち上げ、全体のロードマップを構築します。オフィスの規模や従業員数にもよりますが、一般的には移転希望時期の15か月ほど前から計画的に始動するのが目安です。
移転後のレイアウト作成や内装工事、現オフィスの原状回復工事について確認
新オフィスの空間設計や内装デザインについても、早い段階から具体的な検討が必要です。移転の方針に沿ったレイアウト策定を行い、自社の企業イメージや機能性に合致した内装工事の計画を練り上げます。
また、現在入居しているオフィスが賃貸契約である場合は、契約内容によって原状回復工事の義務が発生します。まずは契約書等で原状回復の要否や工事範囲について確認し、オーナーや管理会社とも早めにすり合わせを行っておきましょう。トラブルを防ぐためにも、必要な場合は早期に見積もりを取得してスケジュールに組み込んでおくことが大切です。
オフィス什器などの運搬や新規準備、不用品の廃棄処分についての検討
経営課題の解決や新たな働き方の定着を目的としてオフィス移転を実施する場合、既存のオフィス家具をすべてそのまま新天地へ持ち込む例は少数です。 移転のタイミングに合わせて、老朽化した大型什器の廃棄処分を進めると同時に、新しいオフィスのコンセプトやスペースに適した家具を新たに選定・調達する必要性が生じます。新オフィスに最適な什器のリストアップと、旧オフィスで不要となる物品の適切な廃棄プランを並行して検討することが、快適なオフィス環境作りへの重要なステップとなります。

オフィス移転業者を選ぶ際のポイント
オフィス移転業者を選ぶ際には、ポイントを押さえましょう。ここでは、移転業者選びのポイントについて詳しく解説します。
実績を確認し、オフィス移転を専門としている業者を選ぶ
業者を選定する際は、これまでの「法人向けの移転実績」を必ず確認しましょう。数ある引越し業者の中には、個人向けのサービスを中心に据えつつ、メニューの一部として「オフィス移転も対応可能」と謳っているケースが見られます。しかし、オフィスの移転には特殊な什器の解体・組立やインフラ施工が伴うため、十分なノウハウを持たない業者では当日のトラブルや遅延のリスクが生じかねません。 ビジネスの停滞を防ぎ、安全かつスムーズに作業を完遂させるためには、ビル管理会社との調整やオフィス特有の搬入ルート構築に長けた法人向けの移転実績が豊富な業者を選ぶのが確実です。
自社ニーズに対応可能なサービスを提供している業者を選ぶ
ひと口にオフィス移転業者といっても、対応しているサービス領域は多種多様です。
荷物の搬出入・運搬のみに特化している業者もあれば、レイアウト設計から内装施工、各種インフラ工事まで移転にまつわる全工程を一括で引き受ける業者も存在します。
自社がどこまでの作業を外注したいかを踏まえ、業者のサービス対応範囲を精査しましょう。特にオフィスの移転業務に初めて携わる総務ご担当者様の場合は、複数の窓口を管理する手間のない、ワンストップ対応が可能な業者を選ぶことで業務負担を大幅に軽減できます。
運送計画の立案・実行が可能な業者を選ぶ
オフィス移転では、機密情報を含む大量の書類や、特殊な精密機器、大型家具などを一度に動かす必要があります。
搬入出経路となるエレベーターの積載重量や寸法、ビル周辺のトラック停車スペースの確保など、事前にクリアすべき条件は非常に複雑です。そのため、緻密な「運行・搬入出計画書」を自ら立案し、当日の現場を統率できる実行力を持った業者であるかどうかが、プロジェクトの成否を分けるポイントとなります。事前のヒアリング段階で、どのような運送計画を提示してもらえるかを確認しておきましょう。
新オフィスのレイアウトプランや内装工事等まで依頼できる業者を選ぶ
新オフィスの生産性を高めるためには、レイアウト設計や内装デザイン、およびネットワーク配線環境の構築までトータルで相談できる業者が望ましいと言えます。
適切なオフィスレイアウトは、社員の動線をスムーズにし、日々の業務効率や組織内コミュニケーションの質を大きく向上させます。自社の新しい働き方を見据え、最適なゾーニングや導線設計を提案してくれるパートナーを選定しましょう。一連のプロセスを同一の業者に統括してもらうことで、個別の業者を探して別々に打ち合わせを重ねる時間やコストのロスを防ぐことができます。
アフターフォローの有無などサポート体制を確認する
オフィス移転プロジェクトは、荷物の搬入が完了した時点で終わりではありません。実際に新オフィスでの業務がスタートした後に、「レイアウトに一部不都合がある」「配線の接続に不具合が生じた」といった想定外の課題が見つかるケースは多々あります。
こうした移転後の引き渡し業務を終えた後にも、迅速に対応してくれるアフターフォロー体制が整っているかを確認してください。トラブル発生時の相談窓口や保証期間など、引き渡し後のサポート内容まで事前に合意しておくことが長期的な安心につながります。

オフィス移転業者を選ぶ際の注意点
オフィス移転業者を選ぶ際には、以下の2つの注意点を意識してください。
見積内容を確認しサービス内容と質が合っているか注意する
見積もりの内容は、しっかりと確認しましょう。この時、金額の詳細が記載されているかを重視します。
詳細な内容や金額が記載されているということは、
作業工程などを緻密に計画した上で見積もりを出しているため、信頼性が高まります。
作業に当たるスタッフは社員なのかアルバイトなのかも、サービスの質の判断基準になります。
また、破損や紛失などのトラブルが起こった際の補償内容も必ず事前に確かめておきましょう。
自社の持つ課題に対応してくれる業者かどうか注意する
単に荷物を右から左へ運ぶだけの事務的な対応ではなく、自社が抱える経営課題や組織の課題を深く理解し、オフィス環境を通じた改善策を主体的に提案してくれる業者かどうかも見極める必要があります。課題解決の視点がないまま移転作業だけを進めてしまうと、コストをかけたにもかかわらず、移転前の問題が新オフィスへそのまま引き継がれてしまいかねません。
事前の打ち合わせ段階から自社の要望に耳を傾け、親身に並走してくれるパートナーを選ぶことが大切です。 なお、コクヨマーケティングでは、丁寧な対面ヒアリングに加え、Webアンケートを用いて従業員一人ひとりのオフィス環境に対する本音や潜在的課題を抽出・可視化するツール「はたナビ プロ」を提供しています。客観的なデータに基づき、組織全体の満足度を高める最適なオフィス環境づくりをご提案いたします。
はたナビ プロの詳しい内容はこちらのページをご覧ください。
オフィス移転の事例5社
近年ではオフィス移転のタイミングを契機として、従来の働き方そのものを見直し、ワークプレイスの最適化を図る企業が増加しています。ここでは、コクヨマーケティングがサポートさせていただいたオフィス移転・リニューアルの実績から、参考となる5つの事例をご紹介します。
①日本軽金属グループ様(規模11,977.31㎡)東京都
総力を結集して、連携を密に行い、一体となってお客様への価値を創造するため、18社のグループ会社が1つのビルに集結。
移転に伴い、完全フリーアドレスを導入し、仕事内容に合わせて場所を選択する働き方「ABW」を実践している。

②一般社団法人日本自動車連盟様(規模218名/1,860㎡)東京都
移転後にメンバーが新天地で仕事をする姿を思い浮かべ、働きやすさを第一にレイアウトを行った。
新たな人材確保と継続勤務・職員のモチベーション向上を実現も目指している。

③株式会社角川アップリンク様(規模 80名)沖縄県
社員同士のコミュニケーション強化と健康的で快適に働くことができるオフィスを目指し移転を計画。
フロア内に社員同士の交流スポットを散りばめ、活気のあるオフィス空間を構築。

④株式会社エバラ物流 川崎物流センター様(規模 40人/240㎡)神奈川県
オフィス環境を改善することで「従業員の働きやすい環境づくり」と
「会社に対する共感や信頼を向上させるブランディング」を実現するため、同じビル内での移転を実施。

⑤マツダジャパン株式会社様(規模 16名)東京都
自社ビル竣工にともなう移転リニューアル。
関連会社や上司部下とのコミュニケーションが上手く取れておらず、充分な作業スペースも無い。
また、オフィス空間に統一感が取れていない事も課題。
移転を機に、円滑なコミュニケーションと作業効率の両立を兼ね備えたオフィスづくりを検討。

まとめ
オフィス移転では、やるべき作業が非常に多く内容も専門的であるため、オフィス移転専門の業者に任せると安心です。
実績やサービス内容、アフターフォローなどを確認し、自社に合った業者を選びましょう。
コクヨマーケティング株式会社は豊富な実績があり、お客様の働き方に合わせた空間提案を行っております。
物件探しからレイアウトの作成、移転・維持・運用まで、ワンストップでまるごとサポート可能です。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
オフィス移転・改装レイアウトの課題を解決します